コラム BAが見た女の世界|ナンパされても名刺はもらうな、その場で覚えろ! 抜け駆けは禁止!が鬼の鉄則

ライターの高木沙織です。

外資系コスメブランドでBA(ビューティーアドバイザー)をしていた十数年前。そこはまだまだ女の園で、男性BAは売店内のすべてのブランドをあわせても、ひとりかふたりいる程度。言うまでもなく彼らはモッテモテで、あっちのBAこっちのBA、付き合っては別れてを……、すみません、話がそれました。

今回はBA時代にあった恋愛にまつわるこんな掟の話をしていきましょう。

制服効果?意外とナンパされる

え? いきなりすぎますか?

ちなみにこの“ナンパ”は勤務中の出来事で、プライベートでは皆無。ばっちりメイクにピシッとした制服効果なのか。私が就職したブランドでは1着20万円ほどするという黒のパンツスーツが支給されていて、それがまた何割も増して素敵に見せてくれていたのでしょう。ザ・制服マジック! そうじゃなきゃ、そんなにナンパされるわけがない。

頻度はって? そうですね、2、3日に一回くらい声をかけてもらっていました(いい女風に言ってみました)。ちょっと自慢、でも遠いむかーしのことですから。

それともうひとつ、配属先が空港免税店内だったことも関係していると思うのです。

なかには挨拶のような気軽さでナンパをいたす外国人のお客様もいらっしゃいましたし。日本人のお客様も「出国審査を終えたら、ここは日本ではない」みたいな、「旅立つ前に気持ちが昂ぶる」みたいな。

日常とはかけ離れた特別な空気が漂うこの場所は、人びとの思考や行動をも変えてしまう不思議な力を持っていたのかもしれません。

それゆえ……。

お客様「あの、いつもこの売店にいるんですか? デパートの売り場にいることもあるんですか? どこに行ったらお会いできますか?」

(あ、先輩ナンパされてる! あのお客様、ナンパなんてしそうもないのに)

先輩BA「この売り場に配属されております。お客様、何かお探しのものはございますか? お手伝いいたします」

(しかもキラキラな笑顔で丁寧にあしらってる、タイプじゃなかったんだな。あれ、でもなんか内緒話してた?)

こんな光景を目の当たりにすることもしばしば。

今では男性用のスキンケアやコスメもありますが、当時はコスメカウンターに男性が立ち寄る場合、知人女性に頼まれたものを買いに来ているか、もしくは好みのBAに話しかけているか。……というと極端で語弊があるかもしれませんが、実際にそういうケースが多かったのでそのまま伝えます(今、ヤベッて思った人多そうだな)。

パターンとして一番多かったのは、コスメカウンターから離れて、ひとりトイレに向かう道中に話しかけられること。

ナンパ男性「すみません、あの、さっきから見ていたんですが、なかなか話しかけられなくて……」

たしかに照明がギラギラしていて、さらには女性ばかりが集まるコスメカウンターで話しかけるのは勇気が要りますよね。

私「何かお探しの商品がございましたか? 一緒にお探しします(その前に、ト、トイレ行きたい。結構ギリギリ!)」

ナンパ男性「いえ、もしよかったら連絡ください」

名刺が差し出されたら、さあどうする?

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