コラム BAが見た、女の世界|メイクが下手すぎてチーフ命令が下る!地獄のコスメカウンター修行

ライターの高木沙織です。

BA(ビューティーアドバイザー)の仕事はコスメやスキンケア商品の販売だけではありません。BA自身が自社のコスメを使ってキレイにメイクをし、良きお見本となってお客様に商品の魅力を伝えることも大事な仕事。

それゆえ、自分の顔に施すメイクの腕前は、日を追うごとにグングンと上達していきます。それはそれは詐欺レベルで顔が変わるほど。ほぼ毎日のように入念にメイクをしますし、本社でのメイクアップ研修も頻繁にありますから。

そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、お客様の顔にメイクをする“タッチアップ”の腕前を磨かなくてはならないということ。これがね、もう本当に……ブルブルものなんです。

ブルブルが止まらない! 緊張すると、手が震えませんか?

想像してみてください。人の顔、それも仲の良い友達とかじゃなくて、初めて会う人の顔にメイクをする自分を。至近距離に立つだけでもドキドキするのに、アイシャドウやアイライン、マスカラといった細部中の細部にまでメイクをするんですよ。手、ブルッブル震えちゃいますよね。

相手からすると、まぶたの上でブラシやらペンシルやらの先端から、ブルブルとした震えを感じ取るわけですから、さぞかし不快だと思います。いや、もう恐怖? この人本当にBAなの、大丈夫?って、お客様にも張り詰めた空気が漂い始めます。

(あー、手が震えちゃう……。お客様にも緊張しているのが伝わってしまう)

そう思うと余計にブルブル、ブルブルしちゃうわけです。

そう、私はタッチアップが苦手でした。入社後の研修や、その後も定期的に開催される本社での研修でタッチアップの練習を重ねるのだけれど、ペアになったBAと1~2回、運が良ければ3回練習できればいいほう。これだけの限られた練習では上達のしようがありません。

リップやアイシャドウならまだしも、フルメイクのタッチアップ希望のお客様が来店すると、困り顔でベテランチームの先輩に助けを求めることもありました。

その後はこんな流れになります。

私「先輩、すみませんでした。ありがとうございました」

先輩BA「いい加減、自分でできるようになってよ。毎回呼ばないで。あー、お昼休憩過ぎちゃった」

本当にその通りですよね。ただただ不甲斐なく、頭を下げるしかありません。

私「チーフ、緊張してタッチアップがうまくできません。どうしたら上手になりますか?」

チーフ「回数をこなすこと、何度も何度もタッチアップをこなしていくうちに緊張しなくなるから。とにかく練習あるのみだよ、頑張って」

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