コラム BAが見た、女の世界|しらを切り損ねて失敗!噂好き同僚たちの餌食に……

ライターの高木沙織です。

会社員時代、密かに社内恋愛に憧れていました。人目を忍んで休憩室で会ったり、終業後に職場から少し離れたところで待ち合わせをして一緒に帰ったり……。

心からしてみたかった!のですが、私が就職したのは化粧品会社。現場で働くBA(ビューティーアドバイザー)は9割が女性で、男性社員と顔を合わせるのはたまーに本社に研修に行くときくらいのものです。

ただ、配属先の免税売店はまた別会社で、そこには男性社員の姿も。同じ社内ではないけれど、恋のチャンスは身近なところにあったんですね。素晴らしい! あ、はじめに言っておきますが、私には……ありませんでした。

あのふたり、付き合ってるの!? に遭遇しちゃった

免税売店で働くのは、コスメカウンターに派遣されてきているBAだけではありません。

むしろ、“免税売店の社員”やアルバイトの方々のほうが中心。お酒やたばこ、雑貨、土産物などの販売を担当していて、私が働いていた当時は男性と女性の割合は半々といったところだったでしょうか。

そして売り場に立つのは20~30代の社員・アルバイトの方がほとんどで、BAチームに馴染めていなかった私をさりげなく気遣ってくれる優しいお兄さん・お姉さん的な存在でした。なかでもよくしてくれたふたりのことは、今でも覚えています。 

仮に、男性を佐藤さん、女性を鈴木さんとします。

佐藤さん「高木さん、今日のお昼休憩よかったら僕たちと行かない?」

とか。

鈴木さん「ねぇ、このファンデーションなんだけど、私も売り場に来たお客様に勧めたいから特徴を詳しく教えて?」

とか。

お客様が少ない時間帯になると、文字通り輪になって賑やかな会話を繰り広げるBAチームからポツンとひとり外れて過ごす私に声をかけてくれる、なんともありがたい神のようなふたり。私はこのふたりのことが大好きで、同じシフトの日はそれだけで嬉しかった!

そんな佐藤さんと鈴木さんは売り場のバックヤードなんかでもよく話していて、普段から仲が良いことはみんなが知っていたのではないでしょうか。前よりもふたりでいる姿を見かけることが増えてきたな、と思っていた頃のことです。

チーフ「あ、高木さん! ちょっと倉庫に行ってこのグロスの在庫持ってきてくれる?」
私「わかりました。行ってきます」

そう言って薄暗い地下倉庫の扉を開けると、誰かの話し声が……。

みなさん、覚えていますか? 以前このコラムに書いたことがあるのですが(※ 3話参照)、地下倉庫にはオバケが出るっていう噂があることを。私、ついに遭遇?って……。扉を閉めて一旦売り場に戻ろうかと思ったそのとき、なかから佐藤さんと鈴木さんが。

佐藤さん・鈴木さん「あっ!!」
私「えっ!?」

そう、ふたりはお付き合いをしていて、その日も仲良く倉庫作業をしていたのでした。

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