ライターの高木沙織です。
暑くなってきましたね。マスクの下のメイクがドロドロと、それはもう悲惨なことになる季節です。メイク直しをしても、またすぐに崩れ始めるものだから「もういっそのことこのままでもいいか……」と、諦めることもしばしば。
今でこそそんな私ですが、BA(ビューティーアドバイザー)時代は超・超・超入念にメイク直しをしていたんです。
そして、終業後。会う人を片っ端から驚かせていたのでした。
メイク直しも仕事のうち、なんです!
「メイク直してきまーす。」
これがごく当たり前のこととして受け入れてもらえていたのは、私の職歴のなかではBAのときだけでした。
そのあとに就職した航空会社でも、某ショールームでナレーションの仕事をしていたときも、身だしなみには厳しいのにも関わらず……、どういうわけか“メイク直し”をしようとすると同期からですらあまりいい顔をされなかったんですよね。たとえそれが、休憩時間中であっても。
なぜでしょう。
「メイク直しをする暇があるなら、早く仕事に戻ってよ」、とか「顔ばかり気にして」って感じでしょうか。あの微妙な空気感は。
そうそう、今回のテーマはBA時代のメイク直しについてでしたね。あ、ちなみにテクニックではありません。悪しからず。
話は戻り……。
コスメカウンターを訪れるお客様は、もともとそのブランド・商品のユーザーの方や気になる商品があってやってくる方、なんとなく立ち寄る方などさまざま。
使用感や発色を、直接肌に触れたり、コスメならBAからタッチアップ(メイク)を施してもらったりして気に入ったら購入。と、いう方が多かったです。それと、こんなお客様もめずらしくありませんでした。
「店員さんが使っているファンデーションってどれですか?」
我々が使用しているものを気に入って買ってくれるだなんて、BA冥利に尽きます。
だ・か・ら!
BAにとって、メイクは常に万全な状態であることが望ましい。いや、そうでなくちゃいけないというのが鉄則。そのためのメイク直しは、“仕事のうち”というわけなのです。
だって、テカッて崩れたファンデーションやはげた口紅、下まぶたにマスカラがついたBAの顔を見て「これ欲しい!」だなんて、思わないでしょう?
メイク直しは1日5回が基本
では、どのくらいの頻度でメイク直しをしていたのかというと。
今となってはビックリの……、1日5回! ※回数が決まっていたわけではありません。
多いですよね。
まず、出勤前にメイクをします。そして、ロッカールームで着替えを終えたあとに1回目のメイク直し。朝は顔がむくむので、それがちょうど引き始めるこのタイミングにアイラインの微調整なんかを念入りにしていました。
2回目は勤務開始から2~3時間後。まだそれほど崩れてはいないので、粉物がよれていないか確認して軽く直す程度です。
3回目はランチのあと。ここ、一番時間をかけていました。ちょうど皮脂の分泌量も増えてくるタイミングなので、クレンジングや乳液を使って全体もしくは部分的にファンデーションをオフ。一からキレイに塗り直したり。そうなってくると、アイブロウやアイシャドウ、チークなんかもやり直す必要が出てきます。
4、5回目のメイク直しも、それぞれ2時間間隔で。
先輩BA:「高木さん、そろそろメイク直し行ってきたら? 私もそのあとに行くから」
こんな感じでBA同士、メイク直しを上手くまわして積極的に取り入れていたのでした。
さて、問題はここからです。この入念なメイク直しの“積み重ね”によって、こんなことを言われてしまったのですから。