コラム BAが見た、女の世界|怒られすぎて逆ギレの新人、トンデモ発言で赤っ恥!

ライターの高木沙織です。

喜怒哀楽といったら、人間が持つさまざまな感情をあらわす四字熟語ですよね。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ……、改めて考えてみると心の動きって本当に忙しい。だって、ほかにも安心や不安、感謝、妬み、恐怖などまだまだあるじゃないですか。

だけど、30代も後半に差し掛かると、昔よりはそれぞれの感情とうまく付き合うことができるようになってきたようにも思います。

ちなみに、20代半ばのグラホ(※)時代。私のニックネームは“青鬼”でしたが、今回はBA(ビューティーアドバイザー)をしていた頃の“怒”の話を少し。

※グラホ=グランドホステス、グランドスタッフ、空港の地上職員

すみません……、注意されたあとちょっと怒っていました

BAは、私が初めて就いた仕事です。

当たり前だけれど、業務内容もそこでの対人関係も、職場環境のアレコレも何もかもが初めて。

早く仕事を覚えて一人前になりたいというやる気に満ちているのに、ミスばかりしてしまいます。それも、自分がしてしまったことの何がミスだったのか、あとから聞くまでわからないことも多くて。

うーん、わからないことは聞くようにするのだけれど、それをうまく説明できなかったり、結局何がわからないのかわからなくなったりしてもどかしい毎日でした。

朝、ベッドで枕に顔を押し付けながら、「行きたくないよー!」と叫んだかと思えばその数分後、死んだ魚のような目でのそのそと部屋から出てくる私に母は……。

母親:「だ、大丈夫ですか?」

と、ただならぬ何かを感じ取ったのか、両手でおにぎりを差し出しながら敬語で話かけてくるのでした。

それからも、来る日も来る日もああでもない、こうでもないばかりです。できることだって増えてきたのに、「できて当然!」と言わんばかりにスルーされると一丁前に不満が募ってきます。

入社から2か月と少し経ったある日。

コスメカウンターにやってきたお客様に声をかけました。

私:「いらっしゃいませ! 何かお探しですか?」
お客様:「あ、いえ。特に探しているわけじゃなくて」
私:「それでしたら、このリップグロスなんて国内未発売なんですが、ここは免税店なので……」

こんな感じで商品の説明を始めると、お客様は困ったような笑顔を浮かべて去っていくのでした。

チーフ:「ねえ高木さん、どうして今のお客さまは何も買わずに行ってしまったの?」
私:「あ、あの、たくさん話かけられるのが好きではなさそうだったので……」
チーフ:「うん、それで? 接客をやめたの?」
私:「……すみません。こういうときはどうしたらいいですか?」
チーフ:「今の感じだと、あなたがこの売り場にいる意味がないわね。先輩の接客を見て勉強しなさい」

カチッと怒りスイッチが入ったのは、後にも先にもこのときだけだったのですが、未熟な私はとんでもないことを……。

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