コラム BAが見た、女の世界|先輩より時給が高いなんて言えない!でも態度でバレて…

ライターの高木沙織です。

お給料日って嬉しいですよね。それはまるで、体育館でおこなわれる朝礼で校長先生から表彰状を手渡されるときのあの感じ。“1カ月間、頑張りましたで賞”を受賞! こんな気分で、毎月その日を迎えるのですが、まあ、支払いや引き落としなんていう世知辛い一面もあるわけで。それに、このコロナ禍で不安定な部分もないわけでは……。

うーん、それでもやっぱりお給料日は特別。社会にでて早18年、そのあいだ変わることなくこう思い続けてきたのです。「今日くらいちょっと奮発してお寿司の“松”、いっちゃう?」みたいなテンションになれるところも好き。

今回は、そんなお給料の話を少し。これはまだ、社会人になって間もない頃のBA(ビューティーアドバイザー)時代に起こった出来事です。

ブランド物にはご用心!

あれは確か、入社してから1年も経たない頃のことです。

前回記事「初韓国の思い出はイケメン、肉、トイレトイレトイレ」でお話した例の韓国旅行。暴飲暴食の翌日、若干の腹痛の名残を訴えながらも某ブランドショップに立ち寄った友人と私。

私:「どうしてもこれだけは欲しいっ! ずっと買うって決めてたの」

友人:「分かった! もし買い物中にお腹が痛くなったら、ほかの人が買わないように私がこれを守るから」

友人の口からでた“腹痛”というワードに耳がピクリ。思い出した途端にお腹がギュルッとしましたが、トイレに駆け込むことなく何とか無事に購入…、ホッ。当時大人気だったトートバッグをゲット。

カジュアルなんだけれど、キレイめなファッションにも合わせられるところがツボ。母とシェアしながら使おうと、貯金を切り崩して手に入れた憧れのブランドバッグだったのでした。

20代前半の私が〇万円もする高級バッグを買うなんて初めての経験でしたから、それはもう嬉しいやらドキドキするやらで、終始にやけ顔が止まりません。

そしてある日の終業後、ウキウキ気分でロッカーからそのトートバッグを引っ張り出すと……。

先輩BA:「あれ、それって新しいバッグ? 前から持ってたっけ?」

恐らくですが、ここから始まっていたのでしょう。

私:「そうなんです、この間の韓国旅行で買ってきたんですよー」

先輩BA:「へえー、海外旅行に行ったり、ブランド物買ったりって、ここのお給料でよくできるよね。ていうかさ、高木さんって何か特別手当とかもらってるの?」

(せ、先輩……。目だけ笑ってないですよ!)

女の園にいると、こういうちょっとした表情や感情の変化を読み取るのがどんどん得意になっていくんですよね。とは言っても、お給料のことを聞かれるとは予想外! 答えに窮して、パッと視線をそらしてしまったのでした。

そして、尋問は続く……

いきなりのお給料トークにギクリとしたのには、採用時にこんな話があったから。

人事部の社員:「高木さんには、英語での接客を期待しています。TOEICの点数も良いし、英会話スクールにも通っているということなので、“英語OK”のバッジをつけてもらって。ああ、外国語手当もちゃんとつけるので、頑張ってくださいね」って。

それと、こんなことも言っていました。

人事部の社員:「そうそう、配属先で特別手当がついている人はチーフだけだからね」

なるほど。まずすることはないと思うけれど、お給料の話は禁忌ということね。と、軽く聞き流したその約1年後。まさか、タブーに触れられる日がくるとは……。

先輩BA:「高木さんって、英語担当じゃない? だから、外国語手当とかついてるのかなあって。ちなみに、時給っていくら?」

(どどど、どうしようー! こんなとき、何て答えたらいいのかなんて考えたこともなかった)

そこで、私がしたこととは……。

先輩よりも時給が高い場合、何と答えるのが正解か

先輩から時給を聞かれたときの私の対応。

私:「いやいや、そんな…。へへ」

はい、何の答えにもなっていないですよね。しかも、最後は笑ってごまかそうとする始末。

先輩BA:「まあ、答えにくいよねー! でも、今のでわかった気がするわ。いいなあ」

そうして眉をひそめた先輩は、ほかの先輩BAたちにこう触れ回ったのでした。

“高木さんは、特別手当をもらっているから結構稼いでいる”、と。

実際のところ、私の時給は外国語手当込みで、先輩よりも50円高かったんですね。1日8時間勤務×月20日出勤で単純計算すると、8,000円の差が開くのでこれは大きい。

まだまだ先輩よりもできないことが多く、なのに年下の後輩のほうが給料が高いだなんて、なかには不満に思う人もいるでしょう。

じゃあ、どう答えたらよかったの?

主観的ではありますが、ちょっと考えてみました。

(1)正直に答える
→勇気がいる!けれど…。具体的な金額には触れずに、手当てがついていることだけを伝える…、とか。

(2)嘘をつく(ごまかすも含む)
→一緒に働いている人に嘘をつくのは後ろめたい。それに、嘘をつきとおすのは大変だし、ボロが出て、バレたときに面倒なことになりそう。

(3)決意表明をする
→これは、①に近いのですが、金額はもちろん言わない。それプラス、手当てをもらっている分もっと頑張る旨を伝えて、実際の業務でも人一倍働く。

えー、③かなあ。なんて、今になって振り返ってみたのですが、“話し過ぎず、隠し過ぎない”絶妙な塩梅に失敗して、結局は「うわー!」と頭を抱えている自分の姿が想像できたのでした。

お給料の話はデリケート、お世辞にもコミュニケーション能力が高いとは言えない私にはいつになっても難しいテーマです。

あ、あと、おニューのブランドバッグを使うのなら、休日のプライベートな外出時だけにしておいたほうが…、と過去の自分にメッセージを送りたい!

やっかまれたくない、でも嘘もつけない、お金の話はセンシティブです……。イラスト by Kato

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プロフィール

ライター/ヨガインストラクター高木沙織

「美」と「健康」には密接な関係があるため、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。野菜や果物、雑穀に関する資格を複数所有。”スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ヨガでは骨盤ヨガや産前・産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスでボディーメイクをサポート。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。近年はエッセイの執筆にも力を入れている。