コラム BAが見た、女の世界|お客様のまつ毛がそよそよたなびく…それ、私の鼻息です

ライターの高木沙織です。

そよそよと心地良い、秋の風。窓を開けたときや、外を歩いているときに、顔をなでるように吹きつけてくると、「あー最高…」って。下を向いていた顔が、自然とクッと上向きになっちゃう。

そよ風って、いいものですよね。あの何とも言えないくすぐったさは、通りすがりの妖精さんが頬をなでてくれているのに違いない…、なんて。

ですが、そよ風はそよ風でも、心地良くないそよ風もあるんです。それは一体、なーんだ?

目をつぶることで、ほかの感覚が研ぎ澄まされて……

BA(ビューティーアドバイザー)時代、お客様にメイクを施すタッチアップでは、恐れながらも顔と顔をググッと超接近させてもらっていました。

とは言っても、タッチアップ中のお客様のほとんどは目をつぶっていますから。どのくらい顔同士が近づいているのかはわからないかもしれませんね。それゆえ、ふと目を開いたときに驚かされたなんて経験がある方もいるのでは?

(うわ、近っ!)

って。

そんなときは、お互いにはにかみ合ったりなんかして。ちょっぴり気まずい瞬間かもしれません。

また、なかには、目をつぶっていることで、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされる方も少なくないようで。

「超至近距離接客」でやらかした、とBAが後悔すること第2位

視覚以外の感覚といったら、パッと思い浮かぶのは“嗅覚”でしょうか。

「超至近距離接客でやらかした、とBAが後悔すること」第3位の、“ニオイ強い系、食べちゃいました……”にもある口臭問題がまさにそれ。至近距離というだけでも気になるのに、嗅覚が研ぎ澄まされているとなると…。いつも以上に敏感に、ニオイをキャッチしてしまっているお客様もいるでしょう。

そして、今回のテーマでもある第2位!

ヒントは“触覚”。ちなみに、メイク中に顔に触れられる感触のことではありませんよ。

(何だか、風がそよそよと吹いているような…?)

はい、その風。9割方…、BAの鼻息です!

「お客様、お顔に鼻息を浴びせかけてしまい、大変申し訳ございません!」

お客様のまつ毛がそよぐ鼻息問題

BAにタッチアップをしてもらっている間。顔にそよそよと微風を感じたことはありませんか? ここは屋内なのに、なぜ? 空調?

いいえ、BA(主に筆者?)の鼻息です。

お恥ずかしながら、お客様の顔に鼻息を浴びせてしまうことがしばしばありまして…。基本的には息を止めていたのだけれど、我慢の限界だったのでしょう。はたまた、タッチアップハイ? 興奮? いやいや。

ちなみに、風邪や鼻炎、花粉症で鼻が詰まっていたわけでもないのに、「フーッ、フーッ」です。おいおい、ケンカ中の猫かって。

これは、あるタッチアップ中。

お客様の長いまつ毛がファサーッと揺れました。

(あれ? どうしてまつ毛が? んもう、マスカラ塗りたいのにっ!)

「フーッ(筆者の鼻息)」
「ファサーッ(お客様のまつ毛)」

ま、まさか!

その原因が、自分の鼻息だとわかったときの絶望感よ……。

「鼻息を浴びせてしまって、ごめんなさい」

心の中で深い深い穴を掘り、ダイブしましたね。

だって、鼻息が荒いって……、恥ずかしい! 乙女なのに。しかもこれって、きっと、お客様にも気づかれていましたよね? 

そういえば、たまーに、「ククッ」と笑いをこらえようとしているお客様がいたのだけれど、もしかして鼻息のせいですか?

これは、何とかして鼻息を鎮めなくては。そう思った筆者が取り組んだのは、日頃から鼻呼吸を徹底することです。え? 鼻息を静めたいのに、なんで鼻呼吸かって?

なんでも、鼻呼吸が習慣化されると、“鼻呼吸力”みたいなものを養えるとか、どうとか。そうすると、鼻呼吸を楽におこなえるようになり、荒い呼吸を鎮めることもできるようになるそうな。

結果、うーん…?

多少ではありますが、鼻息の強弱をコントロールできるようになった気はするけれど。お客様のまつ毛を揺らさないようにするには、息を止めるのが最善の策としか。

よって、秘技・息止めタッチアップはこのまま継続の方向で。タッチアップ終了後の筆者は、いわずもがな顔が真っ赤っかです。鏡を眺めるお客様のうしろにチラッと映る赤鬼(筆者)。

呼吸はとっても大事。だけど、ときには我慢しなくてはいけないこともある。生きていくって大変だ、そんなことを思っていたのでした。

さあ次回は、「超至近距離接客でやらかした、とBAが後悔すること」第1位の発表です。

気づいても指摘しづらい鼻息…。イラスト by Kato

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プロフィール

ライター/ヨガインストラクター高木沙織

「美」と「健康」には密接な関係があるため、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。野菜や果物、雑穀に関する資格を複数所有。”スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ヨガでは骨盤ヨガや産前・産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスでボディーメイクをサポート。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。近年はエッセイの執筆にも力を入れている。