ライターの高木沙織です。
みなさん、この年末年始はいかがお過ごしでしたか? いやいや、どうして今、年末年始の話かって? なぜなら、この原稿を書いているのが1月6日だから。ちょうど、お正月休みが明けた頃ですかね。
ちなみに、筆者はというと、31日の昼過ぎに仕事納め、翌1日から仕事始めという平常運転。この時期は、2~3月分の原稿に取りかかったり、確定申告の準備をしたり…、とフリーランスという働き方を選んで8~9年経ちますが、毎年こんな感じです。けれど、会社員時代もずっとシフト勤務をしていたゆえ。もう何十年も、年末年始の厳かな空気には、“片足を突っ込む”くらいの過ごし方しかしていない次第であります。
と、前置きはこれくらいにして、今回はBA(ビューティーアドバイザー)時代の年末年始のお話をしていきましょう。
クリスマスとは打って変わって、みんな休みたい年末年始
いつもより何割も増して、カップルの姿が目に飛び込んできては鋭く突き刺さるクリスマス。
独り身だった筆者をはじめ、ほかの先輩BA方も、「家でひとりで過ごすくらいなら、クリスマスはあえて仕事をっ!」と出勤権の奪い合いにまでなったほど。
(詳しくは、BAが見た、女の世界|私ってカップル撮影マシーン?クリスマスの空港勤務のヤバさに驚愕で)
では、そのすぐ後に控えている“年末年始”はというと?
クリスマスとは打って変わって、休みの希望が殺到! 年末年始といったら、「1年間頑張った私、お疲れ様」「さて、まったりと年を越しますか」など、自宅でゆったりと過ごす風潮がありますから、できることなら仕事は休みたいと考える方も多いのでしょう。
かくいう筆者はというと、「休みだったら嬉しいけれど、仕事ならそれはそれで」というタイプだったため、12月29日~1月1日まで4連勤することに。年末年始に出勤すると、特別手当が支給されるというし、むしろラッキーくらいに思っていたのでした。
…がっ!
出発前から“爆買い”!うらやましい…けど、てんてこ舞い
“年末マジック”って、すごい。
「歳末」という言葉につられるかのように、頑張ってきた自分にご褒美を買いたくなったり、ボーナスが支給されたことで買い物欲がムクムクッと刺激されたり…。
こと筆者の配属先の空港内・免税店のコスメカウンターは、1年の中で一番といっていいほどの大賑わい。
お客様たちは、例外なく海外での年越しを控えていますから、気持ちもドーンと大きくなっている様子。この日のために一生懸命貯金をしてきたという方にとっては、パーッとお金を使うことが快感だったり。金銭感覚がちょっと麻痺しがちだったり。
お客様:「この下地とファンデーション、前から欲しいと思っていたんです! 買えて嬉しいっ、こっちのクレンジングも…うーん、買っちゃえ」
とか。
お客様:「さっき、ほかのブランドで買ったんだけど、マスカラはすぐに終わっちゃうし…これ5本お願いしますっ」
(わーお、すごっ!)
ってな具合。“飛ぶように売れる”とは、まさにこのこと。
次から次へと、コスメにスキンケア、普段はあまり動かない香水までみなさん爆買い。もう、清々しい! 商品を補充しても、補充しても、すぐに売れてしまうという入れ食い状態が数日間続きます。
そんな中、我々は、コスメ売り場と倉庫を行ったり来たり。汗だくで、メイクはテッカテカ。いつもだったら、そんなテカリ顔のBAを見て商品を買おうだなんて思わないお客様も、年末は話が別。
お客様:「一年間頑張ってきたんだもん、買ってもいいよね!」
忙しさの中、こんなふうに友達同士で話す声がコスメカウンターのそこかしこから耳に届くと、羨ましい気持ちと微笑ましい気持ちになるってものです。
そして、違った意味で羨ましい別の声も聞こえて…。