コラム 【Candy Boy×Suits WOMAN】年齢=彼氏いない歴の真面目なアラサー女子・優。ルームシェアで秘密のレッスン!~後編~

えっ、そんな。緊張しすぎてまっすぐに見ることができない。そっと、私の手を取って話しかけてくるひまりさん。

「いいですか。口角を上げて笑ってみてくださいね」

大きなひまりさんの瞳に吸い込まれてしまいそう。今の自分がどんな顔をしているのかわからないけど、がんばって唇の端を上げてみる。

「そうです。その調子ですよ」

ひまりさんが鏡を渡してくれた。

「笑顔の女の子はみんな可愛いんですよ。自信をもってくださいね」

私は鏡を見て微笑んだ。こんな自然な感じで、前野君の前でも過ごせればよいのだけれど。

「よかったら今度、動物園に行ってもらえませんか?」と前野くんは言っていたけど、あれは空耳だったのかな。それとも、社交辞令だったのかな。ああいう時、どう答えればよいのかわからなくて、視線をそらしながら適当な返事をしてしまった。女子大時代の女友達がセッティングしてくれた合コンの時から、私、全然変わっていないな。あの時も、連絡先を聞かれているのがわからなくて、適当にごまかしてしまっていた。ここで、変わらないと、ずっと私、このままなのかな。

翌日、会社で前野君が話しかけてきた。

「優さん、付箋を入れてある部分のページがわからないのですが、見て貰ってもいいですか」

「えっ。はい」

なんだろう。私は前野君が持っていた辞書を受け取った。すると、動物園の欄に付箋が貼ってあり、「いつ行きますか?」と書いてあった。思わず、私が顔を上げると前野君が微笑んでくれた。

「口角を上げて笑ってみてくださいね」と言う、ひまりさんの言葉を思い出した。私は笑顔を心掛けてみた。

「こ、今度の土曜にはどうですか」

勇気を出して、その言葉を口にしてみた。えっ、私、前野君と動物園行くんだ?

家に帰ってひまりさんに相談すると、「それは一大事ですね!僕に任せてください」と嬉しそう。

「優さんは、肌がきれいなので透明感のあるリキッドを薄く伸ばした後、パウダーを軽くはたくだけで艶っぽくなりますよ」

ひまりさんがメイクをしてくれるだけで、なんだか自信がついてくる。この人が手伝ってくれたのなら、大丈夫だ自分!

ひ、ひまりさんの秘密のメイクレッスン!私、綺麗になったかな?

いよいよ土曜日がやってきた。どうしてだろう。こんなにワクワクするなんて。ひまりさんと一緒に選んだコーディネートで、ヘアメイクもバッチリ。

 

「い、いってきます」

「いってらっしゃい」

ひまりさんが笑顔で送り出してくれた。よ、よし、楽しい時間が過ごせますように!

待ち合わせ場所に行くと、イヤフォンで音楽を聴いている前野君が立っていた。会社で見せる知的そうな眼鏡姿ではなくて、思ったよりもイ、イケメン!どうしよう、緊張してきた。

あれ、こ、これってデートの待ち合わせっぽくないですか?

「ごめんなさい。お待たせしちゃったかな?」

「いや、早くついて居たので大丈夫です」

 

会社とは違う一面が見られて、ちょっと嬉しくなってきた。あれれ、私、ちゃんと目を見て話せるのかな。き、緊張します!

次回、初デートはドキドキでいっぱい!

Starring:松本ひなた、前田大翔

1 2