コラム ある日左耳に違和感が…病気!? 怖々行った病院でちょっと複雑な気分になった、耳鼻科医の衝撃の一言

良いことも悪いことも、人生、迷うことばかり。そんな他愛もない日常をゆるゆると綴ったアルム詔子の「日日是迷走」。

今回は、嬉しいような悲しいような…ちょっと複雑な気分になった出来事について。

深刻な病気を疑ったアラフォー女性(もちろん私、アルム詔子のことだが)が病院に行った時の話だ。ああ、あああああ。ホントに思い出したくもない10分間。

あの病気だったらどうしよう…

朝起きたところで、左耳になんともいえない違和感が生じた。

──なんだか、くぐもっている?

朝っぱらから、なんだよーと、ひとり愚痴る。ただでさえ、休み明けの月曜日なのだ。何に対しても意志薄弱なのに、耳まで調子が悪いとは、全くツイていない。こりゃダメだと、とっとと見切りをつけた私は、仕事そっちのけで己の耳分析を開始した。

耳が変だと、気になって仕方ないのです。

一体、何が…?

あああー。声楽家のように声を出した。

音階を変えて再度、あああー。

やはり、気のせいではなかった。音がクリアではないのだ。まるでお椀をかぶせたような聞こえ方で、音が体の内側に響いているなと感じた。シャワーの水でも入ったかと、まずはラジオ体操のように、片足立ちでトントンと軽く飛んだ。

それでも、何も変わらないまま半日が経過した。今度は、恰好構わず、左耳を下に向けて頭を勢いよく振りまくった。

あれっ? 元に戻った?

しかし、そんな気がしたのも一瞬のことで、すぐにまた元に戻ってしまった。

そんなことをダラダラと繰り返した結果、1日が経過した。

2日目には、頭の振り過ぎでフラフラして動くのも億劫になった。耳から水は一滴も出ないわ、気持ち悪くて吐きそうになるわで、もう、踏んだり蹴ったりの状況だ。こうなれば、大の病院嫌いの私でも、とうとう観念して「病院行き」の選択肢を本気で検討しなけりゃならんと思ったところで、ドキッとした。

いや、ちょっと待て。

そもそも、コレって、水が入ったワケじゃなくて…。まさか、原因はアレ…?

じつは、10年以上前になるが、私は「メニエル症候群」と診断されたことがある。「メニエル症候群」とは、回転性のめまいが特徴の内耳の病気「メニエル病(メニエール病)」と似た症状で、その原因が分からない場合をいう。

これらの病気は、難聴や耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)も併発することが多く、当時の私も、ほぼ低音が聞こえなかった。いや、それよりも、回転性のめまいで2週間はろくに歩くこともできず、本当にエライ目に遭ったのだ。

──もう、あかん

恐ろしさの余り、すぐに病院を探した。

引っ越したばかりだった名古屋では知り合いもおらず、ネットの口コミ情報に頼るしかなかった。こうして、リサーチしてから30分後、ようやく良さそうな病院を見つけた。

「優しい、丁寧、痛くない」がウリの口コミ4.6の耳鼻科のクリニックだ。早速、私はコチラの先生の元へと駆け付けた。

えらく洒落た建物だった。1階は駐車場で、総ガラス張りの2階がクリニックとなっていた。

駐車場に入ると、車の中で待つ人の姿が見えた。なるほど、コロナ感染予防のため、クリニックから電話がかかってきた人だけ、待合室に入れるシステムのようだ。ようやく順番が回ってきたので待合室に入ると、2人の子どもを連れたお母さんが2組待っていた。

確かに、「優しい、痛くない」というのがウリなのだから、子どもが多いのも当然だ。そうだよねえ、耳やら鼻やら痛いもんねえ。そりゃ、なるべく優しい先生がいいもんねえ。そう思っていると、診察室から子どものギャン泣きしている声が聞こえてきた。

えっ…。痛くない…はずじゃ…。

正直、ビビった。目力と圧の強さだけが取り柄のアラフォー女性だが、中身はチキンだと自覚している。じつは、歯医者では脈拍計をつけられて処置されるほど、私は怖がりなのだ。待っている時間が長すぎて口の中がカラカラになってきたところで、名前を呼ばれた。

あああ…緊張する!

1 2