コラム 自転車かごに入れられた花束とケーキの贈り主は誰?恋愛ドラマが刑事ドラマに変わった日【前編】

良いことも悪いことも、人生、迷うことばかり。そんな他愛もない日常をゆるゆると綴ったアルム詔子の「日日是迷走」。

今回は、夢のような「恋愛ドラマ」がキターーーーーー⁈ と思ったのも一瞬のこと、気付けば「刑事ドラマ」のような展開になってしまったという話。

もちろん、主役はこの私(いつもながらの、アルム詔子でーす)。

カギとなるのは「花束とケーキ」。

当時アラサーの私の身に、一体、何が起こったというのか…?

ちなみに、記事で書かれる出来事は、全て実話である。

見つけた瞬間のドキドキ感は、まじ半端ない…

当時の私は、職場近くのマンションで一人暮らしをしていた。ちょうど、離婚してから2年くらい経ったところだろうか。既に付き合っている恋人もいて半同棲中、仕事も多忙を極めていた、そんな時だった。

今思い返しても、何の代わり映えもしない日だったと記憶している。

職場と自宅の往復で、帰り道に食材を買い、家に帰ればパパッと掃除して晩御飯を作る。いつもの家事のルーティンが待っているだけだった。ただ、今日は彼が遅番の日だとか、それなら帰って少しだけ落ち着く時間はあるなとか、そんなことを思いながら、マンションの玄関のオートロックを解除したのである。

当時住んでいたマンションは、少し変わった構造をしていた。1階にテナントが入っており、その横の細い通路を抜けた先に住居者専用の入口がある。ドアをくぐり抜けると、左手に駐輪場があり、10台ほど置けるスペースがあった。

エレベーターに辿り着く前に、この自転車置き場の横を通るのだが、その時、何かが違うと思ったのだ。はっきりとは分からないが、ほんの少しの違和感が生じた。いつもの光景ではないモノ、それは間違い探しのように、一瞬で、ピンときた。

──私の自転車だ。

ズラッと並んだ自転車はどれも同じ高さでスッキリしているのに、私の自転車のところだけ妙に高い。何かが突出して、ごちゃごちゃしているのだ。

──うん?

──何だ?

近付くと、その原因が分かった。

なんと、自転車のかごに、大きな花束が入っていたのである。

──やだあ(ハート)、うそ…

いや、何が「うそ…」かって。

こう、予想もしない嬉しい驚きの場合に限って、女性って、つい、可愛く「うそん」みたいなつぶやきを発するじゃないすかー。まあ、そういう類の感嘆詞だと思って頂きたい。

とにかく、ものすごく豪華な花束だったのだ。

魅入られたかのように手を伸ばし、その花束を自転車かごから取り出そうとしたとき、急に自転車が傾いた。またもや、「うそ…」という言葉が口をついて出た。今度の「うそ…」は、単純に、「自転車倒れそうやん、ちょっ、マジで勘弁」という意味合いである。

なんで、傾いたのか。

それは、自転車の右側のハンドルに、紙袋が引っ掛かっていたからである。

気になる!紙袋には一体何が…?
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