コラム 京女の移住体験記│北海道で本格的な「山菜採り」を初体験! そのなかなかな結末【後編】

アルム詔子の「京女の移住体験記」

今回は、生まれて初めての「山菜採り」について。

「ギョウジャニンニク」なるモノを探しに山へと入る我ら一行。

後編は、毒草の「イヌサフラン」との違いを必死でインプットしたところから。

【前編はコチラ】

ようやく実践…「山菜採り」を初体験!

──「行者ニンニク」を確保せよ。

朝の6時半。

ターゲットの説明を受けたのち、ようやく指令が下りた。

早速、準備に取りかかる。再度、服装を点検して、肌の露出がないことを確認する。軍手に突っ込んだ指をぽきぽきと鳴らし、彼が所望していた「かご」の代わりに、スーパーの袋を持って、いざ出陣だ。

「行者ニンニクを取るときは、ここでポキッとね。根っこから引き抜くと、来年生えなくなっちゃうから。おっと。これ鹿のフンだね」

下を見ると確かに落ちていた。巨大なチョコボールに激似だ。フンの大きさからして、鹿もまあまあデカイのでは…と心配している私に、軽めの調子でレクチャーは続く。

「斜面に大きい穴があったらね、熊の寝床だから気をつけてね」

熊=絶体絶命の危機ではないのか。このあっさり感に拍子抜けするも、そういえば、ココは上司の実家の裏山なのだから、実際、庭みたいなモノなのだと気付いた。昔から知っている場所、そしてグループで、それも互いが見渡せる範囲でしか動かないようだから、少し安心した。

こうしてレクチャーを受けたのち、一行は三々五々に散らばった。

山がないところに住んでいた私は、斜面を1m上がるだけでも一苦労だ。足をどこに置いて何につかまればいいのか分からない。もぞもぞとしている傍ら、彼らは軽々と斜面を上っていく。スキーのラビットコースよりも傾いた斜面を颯爽と進む姿が、ホントに眩し過ぎた。

ちなみに、小さい頃に山で遊んでいたと豪語する九州の片田舎出身の彼は、順調な滑り出しだ。斜面頂上近くで「行者ニンニク」をせっせと摘んでいるのが見えた。

うん?

山の中で、野性の本性が目覚めたのだろうか。

いやいや。待てい。

「行者ニンニク」に、一体、何の恨みが…というほどの勢いである。持ち帰ったあとのコト…とか、アンタ、考えてないよね。ホントに全部食べれるのか? そうか。彼があれだけ採るのだったら、私がその分、控えめにすればよいのだ。

良い口実を見つけて、私は「山菜採り」という名の時間潰しに精を出した。斜面途中まで上がって、どっこいしょと腰を下ろす。周りの景色を眺めてから「うん?」と足元を観察する。

先ほど「行者ニンニク」は2枚の葉って言ってなかったけ。これ3枚だよね。まさか「イヌサフラン」なのか。ちぎって匂ってみると、一瞬で鼻の奥までニンニクの香りに満たされた。ああ。キミは「行者ニンニク」なのね。育ち過ぎだね、などど言いながら、2束手折った。

暫くして斜面を下りて、川岸に到達。

冒険がてら、川の中をじゃぶじゃぶと進みながら、また近くの野草を観察する。比較的育っている「行者ニンニク」を2束手折った。生物学者のフィールドワークの如く、地道にそれを繰り返していたところで、やっと撤収の合図が出されたのであった。

山をブラブラ…行者ニンニク探しです
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