コラム 京女の移住体験記│町内班長が回ってきた!北海道で初めてのご近所付き合いに大奮闘【前編】

この5年間で住んだ地域は4道府県と、現在も更新中。そんな移住生活のオモシロ体験を綴った、アルム詔子の「京女の移住体験記」(前回記事はこちら)。

今回は、移住先の北海道で、生まれて初めての「町内班長」となった話。

これまでマンション暮らししか経験のなかった私とパートナーの彼だが、初めて町内会なるものに入り、ご近所付き合いを始めることに…。

様々な雑務をしながら、任期の半年が経過。

役目が終わってから、意外なモノを得ることになったのでした。

「町内会」にいざ突入!

オホーツク海側の小さな町の1つ、T町に移住してはや一年。

そんなある日のこと。我が家に、小さな黒い金庫が持ち込まれた。

片手で持ち運びできるようなサイズなのだが、頑丈なカギが中央に付けられている。これは…と問うまでもなく、次から次へと我が家に黒い金庫のお供たちが運ばれてきた。ビニール袋に入った回覧板一式、輪ゴム、数冊のノートだ。

「町内会の班長なんだって」

仕事から帰ってきた彼が説明してくれた。どうも、我が家は「町内会の班長」になったらしい。

「なんでっ!」私はいきり立った。

というのも、京都にいる母や姉から、ことあるごとに「町内会活動の辛さ」を聞いていたからだ。特に、実家のあるH町内会会長を決める会合は、常に紛糾。水面下での探り合いは、京都ならではのやりとりが心底身に染みる瞬間なのだとか。それはもう、ある種、決戦前夜の様相を呈するという。

それなのに、なんの話し合いもなく「会長」になるだなんて。責めるような目で彼を見ると、まあまあと私をたしなめた。

「会長じゃないよ?」

ポカンとする私に「班長は持ち回りだから」と静かに告げたのである。

本来ならば、我が家は昨年に班長に当たるはずだったとか。

しかし、移住してすぐだからと順番を飛ばしてくれたらしい。なんとも町内の皆様の配慮の結果だったのだ。そして無事に一年が経過して、大丈夫と判断されたのだろう。飛ばしたはずの班長が、舞い戻ってきたというワケだ。

「大変なのは最初の町内会費の集金だけだってさ。あとは回覧板回すだけ。大丈夫だって」と彼。

そんな根拠のない太鼓判を押された1週間後。

私は、まだうすら寒い軒下で、ぶるぶると震えることになったのである。

なんで私が…残念な役回りに !
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