コラム 京女の移住体験記│生きててよかったと思える、北海道の「なまらうまいっしょグルメ」ベスト3位&2位【後編】

アルム詔子の「京女の移住体験記」

今回は、北海道の絶品グルメについてである。

私たちが北海道に移住して出会った「なまらうまい」食べ物たち(「なまら」は、北海道弁で「とても」という意味である)。

後編は、いよいよ上位2位の発表である。

【前編の3位はコチラ】

2位は…ボリューミーでクリーミーな1品

とある12月24日の3週間前のこと。

「クリスマスにさあ…」とパートナーの彼。

「なに?」と私。

「ツルとカキを…」

「はあ?」

いつもの暗号のような、我が家の会話である。

きっと、職場の人から何か情報を仕入れてきたのだろう。美味しいモノに対する情熱は、並大抵の熱さではないレベルの彼。移動する距離など一切考慮に入れず、風来坊の如く、美味しいモノがあると聞けば行ってみたいというのである。

「いや、ツルではなくて『鶴』。カキは『牡蠣』」

私はがっくりと肩を落とした。ただでさえ、彼には生まれ育った九州のイントネーションがあるのに、分かるワケがない。ただ、今回は、食べ物だけではなく、動物ネタもあるようだ。恐らく、写真コンテストに応募するために、ちょうどよい撮影対象を見つけたのだろう。

「どこ?」

「釧路方面。正確には『鶴居村(つるいむら)』と『厚岸(あっけし)』。厚岸のカキがホントに美味しいんだって」

「ふむ…」

ここからは、我が家の会計を一手に引き受ける私の出番である。弾丸ドライブの日帰りにして、出来る限りの出費は避けたいところ。だが、そもそも北海道は都道府県の1つとされてはいるが、その面積は九州と中国地方と四国3県を足したものと同じくらいだ。同じ道内とはいえ、端から端まで到達するのに、丸1日かかることも珍しくはないのである。

釧路は北海道の南の方だ。色々とシュミレーションをした結果、安全を最優先に高速道路を利用、帯広で1泊することにした。なんといっても、帯広は豚丼が有名だ。なんなら帯広でも絶品グルメを頂いちゃおうと、密かに計画を立てていたのである。

そして、出発日の当日。

わたしたち2人の日頃の行いが、ダブルで反映されたのか。北海道ではあるあるだが、いつにも増して前が見えないほどの降雪に見舞われた。高速道路も速度規制がかかり、移動で予定時間を大幅にロスする結果となったのである。

こうして、午後から出発して帯広に着いたのは、有名な豚丼屋のラストオーダーの時間の10分前。駐車場探しに手間取り、まさかの店先でタイムオーバー。帯広まで来て、豚丼にありつけないという信じられない事態に陥ったのであった。

鬱々とした雰囲気の中、翌日、気を取り直して出発。朝からタンチョウヅルで有名な「鶴居村」に向かった。予定では30分ほど撮影して、お昼ちょうどに念願の「厚岸のカキ」を頂くはずだったのだが、ここでも、まさかの番狂わせが…。

なんと、タンチョウヅルの撮影にかかった時間は2時間。

都会の公園に集まるハトのようなタンチョウヅルの群れに、私は一瞬で珍しさが吹っ飛んでしまったが、彼はそうでもなかったようだ。 なんでも、羽根を広げて優雅に大空を舞う姿を取りたいと、粘りに粘ったのである。

一方、車で待っている私は、やきもきしっぱなしだ。昨日の帯広の豚丼の失敗を引きずり、同じ過ちの繰り返しを恐れた。遠路はるばる1泊かけて来たというのに、またしてもカキが売り切れていたらどうしようと、気が気でなかったのである。

そんな私の気も知らず。超長い望遠レンズを持った人たちに交じって、かれこれ2時間が経過。彼が車に帰還したときは、既に13時を過ぎていたのであった。

北海道鶴居村のタンチョウヅル。多過ぎて…ビックリ!(筆者撮影)
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