コラム 京女の移住体験記│大自然の北海道で、虫との仁義なき戦いを制したのは…?【前編】

この5年間で引っ越した地域は4道府県と、現在も点々と更新中。そんな移住生活で起きたオモシロ体験を綴る、アルム詔子の「京女の移住体験記」(前回の記事はこちら)。

今回は、大自然とは切っても切り離せない「虫」たちの世界について。

とにかく「蚊」以外の虫類すべてが大の苦手というワタクシ、アルム詔子。北海道にはG(ゴキブリ)が住みにくいと聞いて、喜び勇んでパートナーの彼と移住したのだが…。

そこには、予想もしない虫たちの世界が待っていたのである。

愛しい「我が家」のはずが…

初めて足を踏み入れたとき、私はすぐさま目を閉じた。部屋には、無残にも凍った死骸が数体、無造作に転がっていたからだ。

これは、私たちが関西から北海道へと引っ越したときの話である。業者の説明では、3月の引っ越しシーズンは料金がべらぼうに高くなるという。「下手すれば100万円も…」という数字に、私は恐れおののいた。

これまでは彼も私も共に会社勤めだったが、これからは違う。うち1人(私です…)はフリーランスの道に進もうとしているのだ。結局、 料金が一番安い、ただそれだけの理由で、 荷物だけを3週間前倒しで新居へ送り込む破天荒な作戦を選んだのである。

雪が降り積もり過ぎて除雪車も間に合わない、そんな冬真っ只中の2月下旬。こんもりと雪が固められた道路を通って、我が家となる住宅と初めて対面した。

社宅とはいえ、初の一軒家である。バラ色とまではいかないが、私たちはそれなりの期待を抱いていた。しかし、軒下のつららを心配しながら足を踏み入れると、先ほどの淡い期待は一瞬で消え去った。

部屋の中は、不思議と掃除の気配が全くしなかった。天井にはところどころ蜘蛛の巣があり、床には凍ったハエやダンゴムシが散らばっていた。冷凍庫状態である。この衝撃的な光景を目の当たりにして、私は静かに立ったまま失神した。

その3週間後。

実際に移り住んでからは、せっせと改装業者のように働いた。 カビの生えた押入れの壁紙はもちろん、部屋全体も全てセルフで張り替えて補修。 ふすまをロールスクリーンに変え、神棚も作った。最後の仕上げには、 床、壁、窓、天井を再度拭き、あらゆるところを磨き上げたのである。

迎えた3月下旬。まるであの惨状が幻のように感じるほど、新築同様に蘇った「我が家」。その頃には雪解けも始まり、いつしか寒さも和らいでいた。こうして、居心地の良くなった愛しい我が家で、私たちは北海道での新生活をスタートさせたのである。

が、しかし…。

じつは、裏を返せば、ここからが真の正念場。 というのも、ほんの少しの気候の変化、春の訪れが虫たちを覚醒させるからである。

じつに、この時から…。

私たちと虫たちとの「仁義なき戦い」が、始まったのである。

虫との仁義なき戦い…やる気十分!
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