コラム 京女の移住体験記│標高559m登山から始めたアラフォー女性が標高3000m級「立山」に挑戦するまで【後編】

アルム詔子の「京女の移住体験記」。

共通の趣味を持とうと「登山」に目を付けた私とパートナーの彼。

今回は、そんな登山に目覚めた私たちが、最終的に標高3000m級の「立山」に挑戦するまでの「準備」段階での話である。

後編は「尖山(とんがりやま)」を下山するところから。

【前編はコチラから】

「下り道」はラクという幻想は打ち砕かれて…

「登山」のじつに残念なところは、頂上への到達がゴールではないというコトだ。往復して、初めてここで「終了」となる。つまり、せっかく苦労して山道を上がっても、このあとそっくりそのまま引き返す行程が待っているのである。

いやいや、なにもそこまで悲嘆しなくても…と思われるだろう。文句を垂れたところで、帰りは下り道なのだ。ホント、アルムさんってば、大層なんだから。そんなツッコミが予想できそうだ。

しかし、頂上到達までが辛いだけで、下り道はラクだというのは幻想だ。単なる思い込みでしかない。

じつは、今回の「尖山」へ登るまで、私もそう思っていた。これが実際に経験してみると、下山もまた、同じように辛くて重労働だというコトに気付いたのだ。逆に、頂上を目指すという目的がない分、モチベーションも上がらず気が抜けてしまう。

加えて、計画性のない私は、帰りのために体力を温存させるなどという発想が一切なかった。ちっぽけな脚力を、頂上までの道のりに全て捧げてしまったのである。結果的に、残っている体力はゼロ。それなのに、疲労困憊した体を引きずって下りなければならないのだ。

ちなみに私の場合、その余波が「膝」を直撃した。斜面を下りる途中で、進むたびに膝がガクガクと揺れ出しのだ。「膝が笑う」などのかわいいレベルではない。さらに太ももまでもが痙攣したように震え、揺れる膝と連動して、歩きにくいコトこの上ない。

頂上で得た爽快感も、この帰り道の苦労で一気に吹き飛んだ。じつに無念極まりない事態である。

どこぞのタワーのように、エレベーターでもあれば…と、つい、勝手な妄想が膨らんでいく。頂上に到着したときの、あの気分上々のまま、エレベーターで1階までビュン! あああ、それならどんなに幸せだろうかと、思いを巡らせたのである。

いや、待てよ。

ふむ。

私は、これ以上ない澄んだ目で、山道をじっと見つめた。

エレベーターがなくても、同じ理論で考えれば…。

「そり」に乗るような感じで、お尻でそのまま斜面を滑降するという手もあるのでは…と、本気で思案した。これはイケるかもと自画自賛する一歩手前で、惜しくも、山道のところどころにある「岩」が目に入ったのである。

…ないな。

さすがに、これ以上、膝のみならずお尻まで怪我するワケにもいかない。

こうして、やむ無く断念。

私は、膝をかばいながら、地道に歩き続けたのである。

残念ながら…初登山で膝を負傷…という結果に 。
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