コラム 京女の移住体験記│「立山」挑戦まであと2週間。標高754mの中級へとレベルアップした結末【前編】

目指すは、往復8キロの標高754mの山へ

そして、2週間後。

催眠術にかけられたかのように、またしても私は山を登っていた。今回のターゲットの山は、中級となる「小佐波御前山(おざなみごぜんやま)」だ。

せっかくの登山をスタートさせたのだから、間をあけずに登りたいと彼は言う。反対しようにも、とある事情が関係し、私も同意せざるを得なかった。というのも、取材のアポを取ったのは良かったが、立山の中の1つである「雄山(おやま)」の頂上にある神社は、9月末までしか開山していなかったのだ。

結局、登山の準備もあり、ギリギリとなる閉山の2日前、9月28日に決行することを決めた。こうなると、色々と私たちの動きも慌ただしくなる。なにしろ、本番の登山まで1ヵ月もないのだ。私の装備を揃える必要があるし、毎週末、山に登って体を慣れさせることも大事となる。ただ、いかんせん、体力が続かない。

さすがに翌週末はムリ、一方で本番の1週間前も体力を温存するためにムリ。そんな思惑もあって、前回の登山から2週間後の9月半ばに、2回目の登山を設定した。そこそこ距離もあり、練習となるような中級の山を探すことにしたのである。

こうして見つけたのが、富山市内にある「小佐波御前山」だった。

自宅より車で30分と距離も近いコチラの山。じつは、3つの山を経由するコースが設定されている。旧猿倉山スキー場を出発点にして「猿倉山」、そして「御前山」と進み、最終目標の「小佐波御前山」となる。

事前の調査の結果、往復で8㎞、時間は4時間強とのこと。いい練習になりそうだ。ただ、前回の登山では、予定時間よりもかなりオーバーしてのゴールとなったので、今回は早朝より出発することにした。

駐車場につくと、周囲にキャンプ場があり、自然公園のような様相だ。

「足、どう?」と彼。

「なんか、スキー靴みたいで、慣れない…」と私。

先週、本格的な登山靴を買った。そして、この日が最初で最後の試し履きの機会となる。今日1日で、しっかりと足に慣れさせなければならない。顔を上げれば、なだらかな階段が続いているのが見えた。前回の「尖山」よりはかなり整備されているような感じだ。どちらかというとハイキングコースのようで、景色も楽しめそうである。

「行くか?」と彼。

「うん。今日は色々と試さないといけないからなあ」

2週間前にひどい目に遭ったことなど忘れ、私はほくほくしながら前進した。

【後編につづく】

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プロフィール

ライター/コラムニストアルム詔子

京都府出身のアラフォーライター。バリバリの組織人だった仕事漬けの生活を終わらせて、念願のフリーランスに。スタートは法律・教育・ビジネス関係のライターだが、今は歴史関連、神社仏閣、トラベル、職人探訪など分野を広げて取材、執筆を行っている。

プライベートでは、結婚・離婚・事実婚の「三婚」を経験。現在はパートナーと共に、日本各地を移住する生活を継続中。当サイトでは、「日日是迷走」のほか、事実婚までの道のりを綴った「おひとりさま脱出記」や、「京女の移住体験記」、不思議な話を集めた「5.5センス、信じますか?」を連載予定。