コラム どうして年を取ると…喧嘩したあとの仲直りが難しいのか?ある姉妹喧嘩の結末【後編】

アルム詔子の「日日是迷走」。

今回の記事は、喧嘩の終わらせ方について。

現在、2人きりの姉妹である、その姉と数ヵ月にわたって喧嘩中のアルム詔子。

後編は、仲直りのチャンス到来を逃した話から。

【前編はコチラから】

久しぶりに顔を合わせたときの…まさかの一言

じつは、今年に入って一度だけ姉と実家で顔を合わすことがあった。

リモートではどうにも解決できない都合のためである。まん延等防止措置が出る前に、えいやと一瞬の慌ただしい帰省となったのである。

じつは実家に帰省すると、私はいつも姉の家で寝泊まりする。もちろん実家には今も自分の部屋があり、母はというと至れり尽くせりで世話を焼いてくれるのだが、それでも私は姉の家に泊まりたかった。姉との積もる話は、LINEや電話だけでは到底追いつくものではないからだ。

しかし、このときばかりはそういうワケにもいかなかった。

テキトーな理由をつけて、実家の自分の部屋で過ごすことに。ただ、このままずっと避けて通ることもできないだろう。なんといっても、姉は実家の隣にいるのである。

それに、コチラの理由がメインだが、私にはある禁断症状が出始めていた。姉は、テンポよく本音で話せる会話ができる数少ない貴重な相手なのだ。口が悪くても、デリカシーがなくても、そこは致し方ない。ぶっちゃけ、姉との会話がとても恋しかったのである。

こうなったら、先手必勝だ。

滞在中、気まずいコトになるくらいなら、先に顔を合わせておいた方がいい。「さも不本意ながら」感を前面に出して、私はさっさと仲直りをしようと考えたのである。そのときの私は、とにかく形だけで相手から一言「ごめん」という言葉が出れば、全てを水に流そうという気でいたのである。

ちょうど、渡す予定の洋菓子があったので、真っ先にそれを持って姉の家を訪ねようと考えた。

ふむ。

相手は、どういう対応をしてくるだろうか。一応、私が腹を立てているという話は、母から伝わっているようだから、それなりに考えてモノは言うだろう。

共に大人になったのだ。というか、もう中年のオバハンである。さすがにここまでくれば、あとは雰囲気と咄嗟のアドリブでなんとかなるだろうと思っていた。子どもの頃のように私がブチ切れることなく、コトは収拾するはずだと信じていたのである。

しかし、姉の第一声は、私の予想していたアプローチと真逆だった。

「あんた、怒ってんの?」

玄関口に出てきた姉は、こうのたまった。まあ、ここまではいいだろう。

そうだ、その後が重要だ。ちなみに、私が考える模範解答はこうだ。「何で怒らしたかわからないけど、とにかく、不快にさせたのなら謝るわ」とかなんとか。そういう意味合いの言葉であれば、何でも良かった。

さあ、姉よ。

私に…

「ちっせ」

…?

ええっ?

今、なんと?

私のギョッとした顔に向かって、姉はもう一度言った。

「あんた、器、小さいねん」

いうまでもなく、私は一瞬で言葉を失くした。

もしもし…今、なんと?
1 2