コラム 5.5センス、信じますか?│どうしてここにおみくじが?高野山で体験した不思議なお告げ【後編】

アルム詔子の「5.5センス、信じますか?」

今回は、和歌山県の高野山で体験したおみくじにまつわる不思議な出来事をご紹介。

後編は、祖母の頼み事を引き受け、高野山に向かったところから。

【前編はコチラから】

ええっ? まさかのガチャガチャ式?

「そや。せっかくやから、おみくじでも引いてこようか? 」

「そら、ええな。頼むわ」

茶目っ気たっぷりにいう私に、祖母は一も二もなく返事した。

「分かった。私の分と併せておみくじを2つ引くってコトやな。おばあちゃんの分は、ちゃんと引くときに、おばあちゃんの分ですって頼むわ」

この依頼を引き受けたことを母に話すと、かなり呆れられてしまった。

「そんな、怖いコト、ようするわ」

「なんで?」

「もし、おばあちゃんの人生最後のおみくじが『凶』とかやったら、どうするん?」

「…」

「それに、反対に『死が近い』とか出てもイヤやし。誰がそんなおみくじ持って帰ってきたってなるやん」

「…」

「そんなコト考えへんかったん?」

「…」

母に指摘されて、コトの顛末など一切気にせず、安請け合いをした自分の無鉄砲さを呪った。

ただ、私は、どこかで信じていた。絶対に悪いコトは怒らないとの確信があったのだ。というのも、祖母は大変信心深く、毎朝、仏壇に向かって経を唱えるのを日課にしていたような人だからである。

高野山といえば世界遺産として有名だが、本来は弘法大師空海によって開かれた真言密教の大聖地である。きっと日頃の祖母の祈りが届いているに違いない。だから、そんな目も当てられないような酷い内容のおみくじは出ないと、ある意味「賭けていた」のである。

そして、問題の当日。

早朝に出発し、高野山駅へ到着したのは10時頃だった。私は、真っ先に奥之院を目指した。

一の橋から御廟までの約2㎞の杉木立には、名だたる戦国大名の墓石や慰霊碑などが並んでいる。荘厳な雰囲気の中をゆっくりと歩いて、エアー祖母との参拝を満喫した。

御廟橋を渡り、階段を上がったところに「灯篭堂」があった。幻想的な灯篭がゆらめく下で、祖母の分も併せて心ゆくまで経を唱えた。祖母の身代わりで、ようやくここまで来ることができた。私自身も、次第に満ち足りた気持ちになったのである。

さて、頼み事の半分はクリアできたが、あとの半分が残っている。このあと、問題の「おみくじ」を引かねばなるまい。

引き返そうとしたところで、ふと、我に返った。

そういえば…。

高野山のおみくじは、意外にもあっさりしたタイプだったというコトを、遅ればせながら思い出したのである。

おみくじといえば、ガシャガシャと「みくじ筒」を振って、中から棒を引き出すタイプが一般的だ。しかし、高野山のおみくじは、ガチャガチャ式。つまり、自動販売機方式なのである。

こう言ってはなんだが、かの高野山に似つかわしくなく、少々風情がない気もする。あのみくじ筒を振りながら、「どうかどうか」と念じて番号の書いてある棒を出すのが、おみくじの醍醐味なのに。ただ、自動販売機方式の場合は自分が選ぶワケではないので、逆にコチラの方が「授けられ感」が強いようにも思う。

こうして、私は、自動販売機方式のおみくじを引くために、御廟橋の方へと向かったのである。

このような自動販売機タイプのおみくじだったのです 。※写真はイメージ。
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