コラム 【40代おひとり様・田舎暮らし始めました】築60年の日本家屋でギャー!忍び寄ってきたヤツの正体

はじめまして。

東京暮らし約30年。イラストやライター業で自分だけをひたすら養い続けていた、玉山たまこと申します。まずは、自己紹介から。

私はここ10年ほど、故郷・山口県にある空き家化した親族の家の管理を任され、ほぼ月イチのペースで帰省する生活を送ってきました。

1週間ほど滞在し、家の周りの草を刈ったり、リモートワークをしたり、同級生たちと温泉に行ったりと、都会と田舎の2拠点生活を実践していました。狭い東京のアパートから広々とした木造の日本家屋で過ごす時間は、私にとってかっこうの気分転換。移動には新幹線で半日かかるけど、鉄道旅が好きなので、それもまったく苦になりませんでした。

と、ところが、コロナ禍でそんなルーティーンが崩れ去ってしまったのです…。2020年は9月に一週間ほど山口に帰っただけ。その後感染者がまたまた増え、山口にまったく行くことができなくなってしまいました。「山口の家、草ボーボーになっているだろうなぁ……。台風で屋根が壊れたりしてないかな?」。

「いつかは山口県に帰る」と周囲には宣言していたものの、おいしいレストランやパン屋、かわいい小物が並ぶ雑貨屋、魅力的な美術館の展示、地方では見られない単館系の映画……。望めばなんでも手に入りそうな東京の恵まれた環境を捨てられなくて、なかなか踏ん切りがつけられませんでした。しかも、20年近く住んでいたアパートには大量の生活道具がパズルのように詰まっていて、引っ越し作業を考えるだけでも頭がクラクラ……。引っ越しがめんどくさすぎる、というのも東京を離れられない大きな理由でした。

だけど、ある日、ふと気づいてしまったのです。この恵まれた環境を活かしているのか、自分? 寝っ転がって、家の中で韓国ドラマを見ているだけなんじゃないの? しかも、コロナ禍の自粛自粛モードで、毎日が息苦しいことこのうえない。近くに住む友だちと食事をすることもできないし、取材も打ち合わせもぜ~んぶリモート。引きこもってばかりで、こんなんじゃあ、東京にいても山口にいても変わらないじゃん。

長年、私の前には高~い壁が立ちはだかっていました。「便利な生活が手放せない、モノが捨てられない、優柔不断で決断が遅くて後悔ばっかり」。ところが、コロナで生活環境が一変し、自分の中の価値観も激変。エベレスト級に高いと思っていた壁をあっさりと乗り越えることができました。さして後ろ髪を引かれることもなく、東京生活を辞める決断ができたのには、我ながら驚きました。

てなわけで、今年の7月末、コロナ禍に背中を押された私は、ピカピカの一年生のような前向きな気持ちで、山口県へと帰ってきたのでした。

コロナ禍で生活環境が激変し、ついに引っ越しを決意。
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