仕事の話だと思ったら……ん!?
「ところでまゆ子さん、自分はいま職場で新商品の開発を担当していて、美容効果があるサプリを作っているんだけど、まゆ子さんのお肌がすごくキレイだから、そのお手伝いをしてくれないかな~と思って……」
とKさん。
「サンプルを渡したいから今度会社に遊びに来ない?できたら友達数人連れて来てもらえると、その子たちの分もあげられるんだけど……。すごくいい商品だから、きっと気に入ってくれると思うよ。そしたら格安で譲ってあげることもできるし、ぜひ一度話聞きに来てよ」
あれ?話のトーンがなんだか変わった気がする……と思っていると、
「まゆ子さん、転職したばかりって言っていたけどその会社でうまくいっている?給料とか満足している?その仕事にやりがいは感じている?本当に自分がいいと思った商品を売るって素敵なことだと思うよ。せっかくまゆ子さんとこうやって知り合えたから、まゆ子さんの幸せになるお手伝いがしたいと思っているんだけど……」
あれれ?なんか私、誘導尋問されている?それとも勧誘??そもそも私たちって婚活したいんじゃなかったっけ?セールストークを聞かされている気がする……。
私は急に背筋がゾクッとして、危機感を感じ……
「あ、ありがとうございます。私そんなに肌キレイじゃないし、私なんかがお手伝いできる仕事かどうか……でもちょっと考えてみますね。。あ、そろそろ行かないと!」
あわてて出てきた言葉がコレだけ。
「ごめんごめん、引き留めちゃって!でも考えてみてよ。今日は楽しかったよ。そろそろ行こうか!」
私はすごく複雑な気持ちになり、とりあえず時計をチラチラ見ながら、そそくさと帰る支度をすると、
「今日はもちろんご馳走するよ。平日だから会社の領収書切れるんだ~。もしかして終電が近いかな?急ぐなら先に帰っていいよ。また連絡するね!」
と言われたので、お礼だけ済ませて、駅まで急いで向かいました。本当は終電までまだまだ時間はあったけど、自分がどうしていいかわからず、とりあえず急いで帰りました。
これはデートだったの?それともビジネスの勧誘?領収書切るって、やっぱり仕事として私に会ったの?頭の中でグルグルと疑問が回っていました。