その1では、持続化給付金の不正受給をめぐる問題について、給付金の返還の問題と刑事手続の問題は区別して考える必要があることや、刑事手続での自首とは何かについてお話しました。~その1~はコチラ。
その2では、自首をするとどうなるか、自首にならない場合にはどのような影響があるかについてお話したいと思います。
自首は自分から処分を求めるもの。無罪にはならない。
法律上の自首が認められると、「その刑を減軽することができる。」と刑法には定められています。
「する」ではなく「することができる」なので、刑が軽くなる可能性があるということです。
必ず軽くなるわけではなく、無罪にもなりません。
自首については、ドラマなどで、自首をした犯人に、刑事さんがすぐに手錠をかけて逮捕をして、犯人は主人公にありがとうと言って警察署に入っていく……そんなシーンもあったりします。
しかし、自首をした場合でも、逮捕の必要がなければ、逮捕はできません。
逮捕されるかどうかの判断は、処罰とは別の判断となるので、事件とその方の状況等によることになります。
ちなみに逮捕されない場合には、犯人は家に帰り、取り調べ等がある日に出頭するという形で捜査が進められます。

自分から申し出た場合の影響
給付金の返還については、誤って受給した方が自ら返還を申し出た場合について、延滞金や加算金については請求しないという方針であると経産省から発表されています。
刑事手続については、自首にあたる場合には、刑が減軽される可能性があることが刑法に定められています。
ただし、自ら犯罪について申告することが必ずしも自首にならないことについては注意が必要です。自首のつもりでも、単なる出頭となる可能性があります。
自首にならない場合でも、給付金を自ら返還したことや、自分から犯罪を申告したことが、刑事手続に影響する可能性はあります。
検察官が起訴や求刑について判断する際に、返金や自ら名乗り出たことを、有利な事情の1つとして考慮する可能性があります。
裁判でも、返金や自ら名乗り出たことが、有利な事情の1つとなる可能性があります。
返金だけでなく刑事罰が問題となってしまう場合には、状況確認や先の刑事手続も考えることも大切になるので、不正受給に関する自首で悩まれている方は、できれば、弁護士に相談されることをおすすめします。