コラム インターネットで誹謗中傷を受けた場合どうすれば……。対処について弁護士が解説します~その2~

その1では、インターネット上で知らない人から誹謗中傷を受けた場合の証拠の残し方、「削除」を求める方法のうち、自分で行う削除依頼についてお話しました。~その1~はコチラ

その2では、裁判所を利用して「削除」を求める場合と、誹謗中傷への対処方法のもう1つである書き込んだ人への「法的措置」を行う際の流れや、改正法についてお話します。

「削除」をしたい場合2(裁判所を利用する)

裁判所を利用して削除を求める方法としては、仮処分という制度があります。
仮処分とは、通常の裁判の結果が出るのを待っていると状況が悪化して裁判をした意味がなくなってしまうような場合に、仮に、裁判で結果が出た場合と同じ状態にしてもらっておく手続きです。

書き込みの削除については、「・・・を仮に削除せよ。」という命令をしてもらうのですが、仮といえども、削除されれば復活しないのが原則です。

削除の仮処分にかかる期間は1~2か月と、通常訴訟よりも格段に早く結果が出ます。

仮処分が認められるためには、人格権侵害など法的要件をみたす必要があるので、裁判所を利用する場合は弁護士に相談することをお勧めします。

法改正によって「発信者情報開示請求」手続きが簡潔に?

「発信者情報開示請求」とは、誹謗中傷を書き込んだ人に関する情報をプロバイダ等に開示してもらうことで、つまり、氏名や連絡先を特定するための手続きのこと。損賠賠償などの書き込んだ人への「法的措置」をとる前段階となります。

改正法が施行されていない時点では、書き込んだ人を特定するためには、SNSなどのコンテンツ事業者と、書き込みをした人が使った通信事業者(プロバイダ、アクセスプロバイダ)のそれぞれに発信者情報の開示を求める必要があるため、最低2回裁判を行う必要があります。

大まかな流れは以下のようになります。

1.コンテンツ事業者等に対して、IPアドレス等の開示請求を裁判で行う(裁判1
2.IPアドレス等が判明したら、それを手掛かりに書き込みをした人がアクセスした通信事業者を探す
3.通信事業者が判明したら、書き込んだ人(通信事業者の契約者)の氏名や連絡先の開示請求を裁判で行う(裁判2

書き込んだ人の氏名や連絡先が開示されるまでの期間としては、通常1年ほどかかります。
MVNO(いわゆる格安スマホ)からの書き込みの場合は手間も期間もさらにかかる可能性もでてきます。

改正法は、これらの裁判を1本化することで手続きを簡潔にするもので、かかる期間も半年ほどになることが期待されています。

なお、コンテンツ事業者や通信事業者は、永遠にデータ(ログ)を保存しているわけではないので、スピード感が求められ、手がかりとなるデータが消えないようにするための手続きも必要となる場合があります。

改正法で個人の特定がスピーディーになることが期待されています。
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