コラム 緊急事態宣言下、夜遅くの初対面。「近くまで来てる」と誘われたら行く?【婚活サバイバル・後半】

マッチングアプリで知り合い、1カ月半ほどメッセージのやりとりをした45歳の男性は、ある国の南の島にホテルを持っていて経営する傍ら、日本でもいくつかのビジネスをしているという実業家。1年の半分以上は海外にいて、日本にもときどき訪れるという生活を送っていたのだが、コロナ禍により海外の拠点に戻ることができず、ここ1年半以上、日本でビジネスをしているという。住居を持たず、東京に定宿があるものの、仕事で行く先々でホテルを転々としている。

全国を飛び回っている彼は、仕事中心の生活。休みなどとらず、朝から夜まで働いているようで、仕事の合い間に電話をくれるが、とても忙しそうだ。そこまでアグレッシヴな彼だが、電話で話をすると、とても穏やか。忙しい事業家に多い「オラオラ系」でもないし、「俺に合わせろ!」的な感じもない。結婚などする気もなく、生活の彩りとしての彼女が欲しいというタイプではなく、ちゃんと結婚を目的としてアプリをやっていることも確認した。何度か話をしたが、とても好印象。彼もまだ会う前から、「アキ子ちゃんとおつきあいしたい」と言ってくれていた。

なかなかスケジュールが合わずにいたが、彼が「もうすぐアキコさんの街に着くよ!」と連絡してきたのは、なんと、日曜日の22時だった……。

初対面なのに、なんと突然!! 

ここまでの話は、“フッ軽”な45歳・実業家の「また連絡するね」の驚きの真意をご覧ください。

22時に「もうすぐ着くよ!」って、どういうこと!?

何時に行けるかわからないと言っている彼を、家で待っている彼女じゃないから(笑)!

たしかに、私、「休日なら時間合わせられると思う」って言ったけど、何時でもいいって意味ではない。その日、約束していたけれど、トラブルがあって遅くなってしまったという話でもない。

なにより、初対面なのだ。メッセージや電話はしているけれど。

同世代の友人たちも驚くほどのフットワークの軽さを誇る私も、初対面の人と2人で、22時から会うっていうのは、さすがに躊躇しかない。

悪い人じゃなさそうだけど……。単にフットワークが軽いだけ? それとも?

実のところ、その時点で、朝までに終わるかどうかあやしいくらい、原稿書きが残っている。たとえ1時間でも、出かけてしまうと、朝の締め切りには間に合わない。

いやいや!!

それよりなにより……

実際、いまから会うって、どこで!? 東京は相変わらずの緊急事態宣言中なので、食事どころかお茶を飲めるところはどこにもない。となると、「私の家」って話にはなりかねないが、そうなったら、その先、どうなるか明白だ。それだけは、絶対に絶対に避けたい。

彼が泊まろうとしているホテルは我が家から徒歩圏内。「終電、間に合わないですよ!」という口実で追い出すこともできない。この街に来てしまってから、「ホテルの予約が取れなかった」なんて言われたら、断り切れなくなる可能性もなくもない。

初対面で会うときは万全で挑みたいのに……

「え? いまから!? だって、この時間じゃ、せっかくこちらに来ていただいても、お店、どこも開いていないですよ!」

そう、やんわりと断った。すると、彼は私の家からほど近い例の有名ホテルに泊まろうと思っているという。しかし、まだ予約はしていない。いきなり私の家に来られるくらいなら、人もいるし明るいそのホテルのロビーならいいか……とも思ったが、初対面でホテルに行くのは、気が進まない。今までのやりとりから、彼を危険人物とは思ってはいないけれど、絶対に危険なことはないと信じるほど親しくはない。飲みものでも飲みながら話そう、と言って、ロビーじゃなく部屋で……ってなる可能性も高いし、 自らホテルに向かっていったら、勘違いされてもおかしくない。歩いていける距離ともなれば、終電という逃げ口上を使うこともできない。

彼の返事を待っていると、彼はこう聞いてきた。

「明日はお休み?」

いや、明日どころか、明日朝までに仕事を終わらせなくちゃいけないものがある。もちろん、明日は明日で仕事がある。

そんなことより……その質問って、どういうこと!? やっぱり、「明日、休みなら泊っていけるよね?」って話!? 「遅くなっても大丈夫?」って心配をするくらいなら、この時間から会おうなんて言わないはず。 

「今日は会うことになるとは思わなかったから、朝までに仕上げなくちゃいけない仕事をゆっくりやっていて……。いま出かけちゃうと、たぶん終わらないことになると思う」

とりあえず、仕事をタテにした。

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