お世話になったこともある友人だけに、うまくいってほしいけれど、膠着状態から脱せない
筆者から「いったんご実家に戻ってみたら?ご実家のそばで絵の先生をしてみるとか?」と具体的な提案をしたこともあります。ユニちゃんは学位も持っているので。
しかしユニちゃん「実家はすっごい田舎で、地域意識が強いから、私のようなオタク気質の未婚のアラフィフ(いつのまにかアラフィフになっていました)には居場所がない!絶対帰りたくない」と言うのです。
実はユニちゃん、ここ数年で持病を発症してしまい、疲れやすくて立ち仕事などが向かない体になってしまい。今や毎月、ご実家の援助を受けているのだとか。東京で継続した仕事をしているでもなく一人暮らしを続けているので、ますます「実家にもどってみたら?」と思いますが、必ず「絶対無理!」と返されるので、もう提案しなくなりました。
筆者は自分が働いて稼がないと、自分も子供も生活できない!……という立場なので、ユニちゃんの言い分が正直理解しがたいです。しかし筆者がユニちゃんを援助しているわけでもなく、過去にはお世話になったこともある相手なので、友人としてぬるく報告を聞く程度のお相手しかできません。
……そんな膠着状態に、もしかして変化が起きるかも?という事態が、最近、起きました。
ユニちゃんのご実家のお父様が、ご病気で亡くなられたのです。お年を召しておられましたが、自営業で家計を支えていらしたお父様です。これはさすがのユニちゃんも「実家に帰る」と言うかな?と思いましたが……。
ご葬儀後にご実家滞在中のユニちゃんから、大量のSNS報告文が送られてきました。要約すると、
「姉が威張っててすごくイヤ。近所の人とも馴染めないし、母は好きだけれど、一刻も早く東京に戻ってホッとしたい!何か仕事探さなきゃな。っていうか、宝くじ当たらないかな~。買ってないけど」
友人を見て「5080問題」を考えてしまう
ユニちゃんを見ていると、世間で問題視されている『5080問題』を思い出します。
『5080問題』とは、子どもの引きこもりが長期高齢化してしまい、引きこもりの子どもは50代、見守る親は80代になってしまう家庭が増えている、という社会問題です。
実際にそうした家庭で、親が老衰などで亡くなった後、どうにもできなくなった子どもが衰弱死して発見される、という事件も起きています。ユニちゃんが万が一、ご実家に引きこもったりするよりは、外で経済的には足りない部分がありつつも、自分で身の回りの事をこなして自由に生きているほうが、親御さんとしては安心なのかもしれません。
……とか考えるのが、他人の余計なお世話なのですが。
ユニちゃんのような大人は、意外と多いのかも知れない、とも考えます。今の社会のせいなのでしょうか?個人の問題なのでしょうか?筆者は友人だけれど、自分の生活で手一杯で、手取り足取りお世話を焼くことはできません。仕事を紹介しても、ダメにされてしまったこともあるから、紹介するのも怖いし。
しかし、ユニちゃんはいつも「こんな自分がホントにイヤ。なにか私にもできる仕事、探さなきゃ」とも言っているので、本当にそうなればいいな、と切に願います。

宝くじ、買わないと当たりませんよ。