半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に、「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。
このシリーズでは「バーで目撃した人間関係悲喜こもごも」をお届けすることが多いのですが、たまには「バー」「お酒」のど真ん中ネタ、つまり「堅実女子が心得ておくとカッコイイお酒の常識」をご紹介しようと思います。
「バーに行ってみたいけど、どんなお酒をたのんでいいかわからない」というアナタ、ふだんの筆者なら「ビールでも大丈夫よ」と書いてしまうところですが(笑)、
例えば男性とバーに行く機会ができたとして、「無難にビール」よりカクテルとかオーダーする女子のほうが印象が美しそう、ですよね(笑)。しかし逆に「カクテルって、なんかカッコつけたり女っぽく見せようとしてる感じがする」と気になってしまう堅実女子もいるのでは。
……まぁそんなことは、全然ないのですよ!
また、とにかくビールという方でも、お酒の知識があるのとないのとでは、自然とふるまい方が変わってしまいます。
「こんな場所まで来て、ビールにしちゃう私」ではなく、
「バーであえてビールをオーダーする私」でいられたほうがのびやかに過ごせて、結果、美しく見えるというものです。
3月、4月の異動の時期には、歓送迎会や飲み会も増えるでしょう。2軒目で気になる人とバーへ……なんて機会もあるかもしれません。今のうちにお酒の基礎知識を蓄えておきましょう。
小さなグラスに入った「いかにもなカクテル」には、粋なマナーがともなっている
バーといえば、飲みなれていない方ほど思い浮かべるのが「シェーカーをふるバーテンダー」でしょう。シェーカーで作るお酒といえば、ほとんどが「小さなグラスに入った綺麗なカクテル」たちです。ギムレットやマルガリータなどのカクテル名、聞いたことがありますでしょう。あの手のカクテルは「ショートドリンクス」という、短時間で飲み干すのに適したカクテルなのです。
なにゆえ短時間で飲み干すべきかと言いますと、表面に細かな氷が浮いているからです。
皆さま、シェーカーの中に氷が入っていること、ご存知でしょうか?
ショートドリンクには一見、氷は入っていないように見えますが、きちんとしたバーテンダーが振ったカクテルの表面には、実はごくごく細かな氷片がキラキラと浮いているものなのです。シェーカーの中でお酒と氷がかくはんされる際にシェーカー内で氷の角が細かく割られ、「その氷片(厚さ1ミリ以下のごく細かいフレーク状)が溶けきらずに浮いているような冷たさを保ったまま飲み干すのが粋(いき)」なメニューが、ショートドリンクなのです。バーテンダーの職人技によって作られた細かい氷片込みの、繊細な美しさと味わいを堪能するお酒なのです。
これ、お酒が飲める女性なら、人生に一度は、バーで体験したいメニューでしょう。
しかしながらショートドリンクのほとんどのレシピが「お酒+お酒」だったりして、アルコール度数が高めなものがほとんどです。「あまりお酒に強くないけれど飲んでみたい」という方は、バーテンダーに相談しましょう。
具体的には、
「度数が低くて、色がきれいで、○○な味のショートドリンクを振ってください。オリジナルでOKなので、気分が良くなるような色のお酒を飲んでみたいの。」
などとオーダーするといいでしょう。
ポイントは「さっぱりした味」「甘めでフルーティー」など、味の好みを具体的に伝える事と、「オリジナルでOK」+「度数を低く」という条件を明らかにすることです。
バーといっても、そんなに難しく考えることはありません。シアトル系カフェで「フォームミルクを追加で」とオーダーするのと、同じ手順です。シアトル系カフェほど混んでいることも少ないでしょうし、1杯の値段もそれなりでしょうから、望みのお酒が出来上がるよう、しっかり好みを伝えてください。