コラム 「政治の話はタブー」は終わった!?非常事態の今、政治の話が共通の話題となっている件~その1~

「本来ならタブーな話題」は、いつからみんなが触れても亀裂を生まない現状に?

とはいえ、「政治」の話題は根本的には「人間関係に亀裂を生む」危険をはらんでいるわけで。あえて「今の生活にかかわってるから話したい!」と俎上にのせる時も、コロナ問題の初期には、それなりに気遣いが必要で緊張しました。

たとえば、3月半ばごろに女子会SNSに、友人が「ドイツのメルケル首相のコロナ感染対策に関する会見」の日本語訳の記事を紹介したことがありました。日本はまだ「緊急事態宣言」発令前です。

この時、まさにSuits WOMAN世代の友人間であがった意見は、

「日本はいつ緊急事態宣言するのかしら?」「都知事が呼びかけても、まだ外出しちゃう人が多いんだよね」などで、

「緊急事態宣言しない日本政府」の是非について、自分の意見を明言するのは微妙に避けつつ「不安だよね、友達同士、情報交換しながらがんばろう!」という人しかいなかったのです。

この時点で一つ、強烈に筆者の印象に残ったのは「メルケル首相は国民について、『私たち国民』って自分自身も入れた表現をするのに、日本のリーダーは『国民の皆さま』って、自分は別のところにいるような言葉を使うね」という意見でした。

……細かいけれど女性らしく鋭い観察眼に「確かに!」とうなづき「ホントだ!実はすごい違い!」と返信したものの、「それがいい」「悪い」という個人の感情をハッキリ示すことは、この時点では避けていたのです。

が、しかし。

4月1日、奇しくもエイプリルフールに発表された『布マスク2枚配布』策について『アベノマスク』というネットスラングが登場し、それが地上波ニュースにまで取り上げられたころから、個々人の「政治の話題はアンタッチャブル」というスタンスが微妙に、確実に変わったのです。

「日本政府は国民をナメてんの?」「いまだに緊急事態宣言しない(当時)から、うちの会社はテレワークが許可されない!はやくして!」など、「安倍首相の政治判断に対する不満」にハッキリ言及する人が増え、それを周囲もとがめない空気が生まれました。

そしてその空気は更に、「安倍首相以外の政治家」についても「もう話しちゃっていい」空気に広がります。

今、我が家で夫と共感しあえる鉄板の話題は「小池都知事ががんばってる件」。

実は4月初旬まで、「補償なき自粛要請」の段階で都知事に名指しされた職種の一つ、「バー」に夫が従事していることで、当時は小池都知事の話題は、むしろ我が家のアンタッチャブルだったのです。

筆者は「コロナ感染拡大防止のため、なけなしの家の貯金を切り崩してでも、バー営業を自粛してほしい」と夫に頼みましたが、当時は夫は反対意見。家族間の問題だけでなく、夫の仕事先との関係や、今後の生き方に関わる問題でもあり、夫婦の意見が根本的に一致しないまま平行線+緊張感アリ、という状態だったのです。

それが、現在までにどんな変化をたどったのか?

「アベノマスク」ももうすぐ届きますよ。

後編では、小規模飲食店を営む家庭(我が家)内のリアルな変化をご紹介します。~その2~に続きます。

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プロフィール

きたざわ御神酒

きたざわ おみき……テレビ、ラジオ、WEB、雑誌で執筆中の雑食系フリーライター。30歳で「バー・一人飲みデビュー」をし、以後、居住地の下北沢中心にあちこちのバーに出没。趣味は「知らない人と話すこと」。趣味が高じて、一瞬、バーの店長をやったことも。
時には夜から昼まで飲み続けたウン年間のバー生活?で学んだ「女子の一人飲みルール」的なお話から、「バーで出会ったトンデモキャラ」のネタ話など、働く女子のタメになったりならなかったり、まったくどうでもよく移動中に読み流したいお話まで、酒にまつわるいろんなエピソードを書いていきます。