コラム バーは「接待」?それとも「接客」?コロナ禍の「夜の街」はどんな店を指すのか~その2~

緊急事態宣言がようやく解除された直後の「東京アラート」発動で、特に感染の現場となりやすいとされる「夜の街」。しかし「夜の街」って、イメージがあまりにぼんやりしていませんか?ということで、感染対策上問題視されている「夜の街」とは、具体的にはどんな店のことを指すのか?を読み解いております。

その1では、緊急事態宣言下で「うちはダイニング・バーで、東京都から全面的に休業要請されている業種『バー』に入るから、テイクアウトや短縮営業もNGなんだろう」と悩み、

「それなら、短縮営業がOKとされている『居酒屋』として届け出直し、少しでも売り上げをたてられるようにしたい」と公的機関に相談にいったところ、実は『バー』は概念であり、届け出上は『飲食店』なので、『居酒屋』と同じような短縮営業を行なってもいい店だったことに気づいた……という実例をご紹介しました。~その1~はコチラ

しかし、すべての『バー』がこの例に当てはまるかというと、そうでもありません。どのような分類があるのか?また、なぜ、当事者であるお店側ですら、自分の店の業種がどこにカテゴライズされるか混乱するような状況にあるのか?という部分について掘り下げて参りましょう。

開業届は「税務署」、飲食店の営業許可は「保健所」、深夜の酒類提供飲食店届は「警察」の管轄

さて、その1でご紹介した、緊急事態宣言下で東京都から「基本的に休止を要請(特措法施行令第11条に該当するもの)」の対象とされた「バー」の記載カテゴリは「遊興施設等」でした。このカテゴリには他にキャバレー、ナイトクラブ、ダーツバー、パブなどが並んでいることから推察するに、ここに書かれた「バー」はたぶん、夜の蝶やホストなどの「密」な接客を伴う「ラウンジ・バー」なのではないでしょうか?

こうした「接客」を伴う業種については、警察への「風俗営業」の届け出が必要になります。「風俗営業」というと性風俗を連想しがちですが、その限りではありません。客の接待をする「社交飲食店」、5平方メートル以下の半個室を客席とした(カップル喫茶など)「区画席飲食店」、照度10ルクス以下の暗い照明で営む「低照度飲食店」など、さまざまな分類があります。

これら「風俗営業」の営業時間は、午前0時まで(地域によっては午前1時まで)と決められています。

バー(風営法の届け出を必要としないタイプ)や居酒屋ほか、午前0時を過ぎて酒類を提供する飲食店は、「深夜の酒類提供飲食店」の届け出を、警察に提出します。こちらの届け出しかしていないのに「風営法」でいうところの「接待」を行なうと、法律違反になります。

警察庁の風営法に関する「解釈運用基準」による「接待」とは……、

特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。

これに対して、お酌をしたり水割りを作ったりするが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類を提供するだけの行為及びこれらに附随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待にあたらない。

……となっています。後者程度の接客は「飲食店」の常識の範疇、という事になります。

税務署への開業届と、保健所への届出、かつ業態の必要に応じて「深夜の酒類提供飲食店届」を警察に提出した、一般的な飲食店、という解釈になるでしょう。

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