コラム 昭和30年代の恋模様はドラマのよう!電話飲みで聞いた、80代夫婦のなれそめ~その1~

半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

まだまだ手放しで「さあ!飲み会だ!」「一人飲みだ!」とワイワイできる状況ではありませんので、たまのガス抜きに、いろいろな人とお酒を片手に電話やオンラインで近況報告しあっています。「会えない」ことが心理的に盛り上がるのか、意外な相手から、これまで聞いたこともないタイプの話が飛び出すことも……。

そんな風に聞いた話の中から、今回は「ドラマみたい!」と驚いた、衝撃度ナンバーワンだった恋バナをご紹介します。

激モテお嬢様がナヨナヨ男子に胸キュン?……80代女性の恋愛結婚のなれそめが衝撃!

筆者の親族のサトエさん(仮名:80代・主婦)は、今でもお酒やカラオケが大好きな、楽しい老婦人です。60代で仕事はリタイアしたものの、現役時代はバリバリ働いていた人なので、一緒にお酒を飲むと、主に仕事の経験談を聞いたり、こちらの相談に乗ってもらったりしており、筆者から見ると長い間ずっと「大人」「目上」という立ち位置の人でした。ですので、サトエさんのキャッキャしていた時代の「恋バナ」を聞く、という発想が、今までありませんでした。

が、コロナ禍で法事等も中止になり、サトエさんと会う機会もしばらくめどがたたないので「お元気ですか?」と電話してみたところ、すこぶる元気で電話飲みに発展し、盛り上がって「恋バナ」を聞く流れに。大恋愛で結ばれた、と親族の間でも評判のダンナ様・ユタカさん(仮名:80代)とのなれそめがあまりにもお転婆で、ドラマのような衝撃展開だったのです。

サトエさんがユタカさんと出会ったのは、新卒で就職した職場(地元の大企業)でした。先輩社員だったユタカさんに対する、サトエさんの第一印象は「ナヨナヨした男」だったそう。

ユタカさんは大家族の中間子で、成績は良かったものの経済的に大学に進学できず、働き始めてから国立の夜間大学を受講していた苦学生でもありました。「仕事を絶対に辞められない」という覚悟もあったのでしょう、大変真面目で勤勉、誰にでも愛想が良く、トラブルがあっても決して感情的にならず自分が一歩引く……という大人の対応をし、人から親切にされれば深々と頭を下げて感謝を表す……、いま筆者が聞くと「若いのに素晴らしく人間ができた好青年」に感じます。

しかし、早くに両親を亡くし、職人の棟梁である祖父母の家で「わが子の忘れ形見」と大事に育てられたお嬢様だったサトエさんは、男性的な職人たちを見慣れていた事もあり「あのユタカって男、いつでもヘラヘラ頭を下げて、肝っタマ、入ってないんじゃない?」と軽視する対象だったのだとか……。

そんな、当時の女性としてはかなり強気な性格だったサトエさんですが、容姿が大変に美しく、当時の国民の憧れの的だった美智子さま(現上皇后陛下)に似ていると噂の的になり、快活だったこともあって、ものすごくモテてしまいます。

「あちこちの男性からデートに誘われて、毎晩のように素敵なレストランやダンスホールに連れて行かれたわ!だからって今どきみたいに、簡単に肌は許さないわよ!そういうことは結婚してから、って時代だったし、デートするのは、綺麗な女性を連れてジマンにしたい、って男につきあってあげてるだけだから。そういう私を気に入らない男性もいたかもしれないけど、次々に別の男性たちがデートに誘ってくるから、記憶に残ってないし、特別好きな人もいなかったわ」

……ドラマや漫画の主人公ばりのキャラだち!

そんなサトエさんが、どんなきっかけで「ナヨナヨ男子」を好きになるかというと、とんでもない事件がきっかけなのです。

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