コラム 困った時の弁護士選び…実は「選ぶ」だけでめちゃくちゃ大変?弁護士選びと相談の実例~その2~

人生で、万が一「弁護士相談」が必要になった時、どうすればいいのか?

ただでさえトラブルを抱えて悩んでいるのに「弁護士を探す」という作業は、実はけっこう大変です。いざという時のスムーズ化の参考に、今回は、筆者の周囲で実際に弁護士相談をした人々の実例を紹介しております。 まずは、後天的な変化により新規で障害年金を申請しようとしたところ、「自分が手続きする」と申し出た知人の社労士とトラブルになってしまったサカタくん(仮名:40代男性)のトラブルの経緯を、その1でご紹介してきました。~その1~はこちら

公的な無料の法律相談所、ネットの弁護士検索……という手段でつまづいたサカタくんが頼ることにしたのが「知人のツテ」、つまり筆者の紹介でした。

弁護士介入の上で一件落着……という結果を得た人でも、「いい弁護士先生だった」という印象の人ばかりではないという事実

サカタくんが筆者に相談してきたのは、筆者が以前サカタくんに「すごくいい弁護士さんのウワサ話」をしていたからです。

筆者の飲み仲間がお世話になった弁護士さんで、仲介をしたのは行きつけ店のマスター……つまり、その弁護士さんもマスターのお客様でした。

……と聞くと「偶発的でいい加減」な印象を持たれるかもしれませんが、実は、「人となりのわかる弁護士さんを、まず介する」という方法は、弁護士探しにおいて、強力で無駄が少ないのです。

筆者の周囲で、過去に弁護士を頼った、という人々の所感を聞くと、

「弁護士介入によってトラブルが満足のいく落ち着き方をした」という人の中にすら、「担当弁護士の姿勢に100%信頼を寄せられなかった。次になにかあったら、あの先生にはお願いしないかも」という人が複数います。

作家のBさんは、自分の作中アイデアを出版社CがC名義で商標登録してしまった件について、弁護士に相談をしました。Bさんの希望は「自分のアイデアであるので、商標権を自分に実費で譲渡してほしい」でしたが、Bさんがフリーランスの個人であることを甘く見てか、Cがのらくらはぐらかしてばかりで、話し合いにすらならない……という事で、弁護士介入に踏み切ったのです。

弁護士介入の意向を伝えたとたん、Cの態度は一変。Bさんに権利譲渡する際の具体的な条件を出してくる、というところまで一足飛びに話が進み、Bさんの目的であった権利譲渡がかないました。

しかし、譲渡条件はCにやや有利な内容。それでも、弁護士介入前に半年、介入後に半年……という期間を憔悴しながら過ごしてきたBさんは「一番の望みがかなうなら、もう早く終わらせたい」という思いにかられ、手を打ったのだそうです。

Bさんは「あの決断自体に後悔はないけれど、担当弁護士がCの提示条件を見ても『このあたりで手を打つのが妥当では?』と促してきたことや、Cのフロントマンが『先生♥』とCにやたらかしずかれていたことが、一抹、腑に落ちない。担当弁護士は明朗会計だったし、Cのフロントマンは士業と見ればヘコヘコするような性質の人間だっただけかもしれないけれど……担当弁護士に心からの信頼は感じられなかった」と言います。

別件で、一緒に会社経営をしていた仲間に横領まがいの持ち逃げをされたDさんも、「最初の弁護士がいまひとつ信頼できず、途中で別の弁護士に切り替えたけれど、その人も愛想がいいだけで『こちらに共感して弁護してくれているわけではないんだ』と思わせる瞬間があって……でも、もう一から新たな弁護士を探すエネルギーはないので、消耗したくなくて早めに手を打った」と言っていました。

庶民が「信頼できる弁護士」を見つけるのは、弁護士側から見ても至難の業?

ドラマや漫画に出てくる、庶民側につく弁護士といえば、弱者を助ける理想に燃えた風雲児ばかりですが、現実に聞くのは、残念ながら前述のような例のほうが多いです。

筆者の周囲といえば基本的に庶民ぞろいなので、「弁護費用がいくらかかってもいいから、納得いくまで戦う!」とは言いたくても言えない……という例ばかり。弁護士側も「費用負担の面も考えると、この辺で手を打ったほうが……」と自分の報酬の高さ(業界内では適正価格であっても)を遠慮がちに考慮しつつ、という面もあるのかもしれません。

ちなみに前述の例での弁護士報酬は「相談料が30分で5,000円」、たぶん良心的ゾーンです。「依頼人から送られてきた新規資料を読み込むためにかかった時間」なども課金カウントされた、との事。

大前提として「弁護士に相談したい」という時点で、その人はトラブルに憔悴しているはずで、「人間ってステキ!」とはいえない精神状態でしょう。「弁護士探し」はその状態で始まるので、ネット検索などでしか情報を知り得ない弁護士よりは、友人知人の口コミで「いい先生だった」という評価を事前に体感できる弁護士を入り口にするほうが良い気がします。

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