コラム 『トリキの錬金術』=「モラルの低下」だけじゃない!迷惑行為に見る、真の“怖さ”とは?~その1~

半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

『Go To Eatキャンペーン』が始まったとたん、『トリキの錬金術』『トリキマラソン』なるネットスラング&迷惑行為が登場し、悪い意味でニュースになりました。どういう意味かを一応説明します。

『トリキの錬金術』……1品料理の金額が少額の飲食店(例:焼き鳥チェーンの『鳥貴族』)で席だけを予約し、政府発行の無料クーポンの最少額(ディナーは1,000円分)を大きく下回る料理1品だけ+サービスの水のみを飲食し、差額ポイントを獲得すること。

『トリキマラソン』……『トリキの錬金術』は1回600円強の収入になるので、繁華街エリアで同社の店舗を複数件ハシゴしておつりポイントを得続けること。

なんともセコい不労収入ゲット作戦です。そもそも『Go To Eatキャンペーン』は、コロナ禍の影響で大きく打撃を受けた飲食業界を、少しでも盛り返そう、助けよう、という扶助政策です。この制度を悪用(法的に問題はないようですが)して個人が小金をゲットする、というのは、キャンペーンの主旨に反しており、人間性をも疑われる行為です。

……というのは、やった人にもわかっているでしょう。なのに、そんな行為をして、その上方法論をSNSで広く発信するとは、どこまでモラルが低いのか?やめましょうよ!と、ニュースやワイドショーで即座に取り上げられ、呼びかけられていました。

実際、これを行なわれた飲食店は「経費よりも売り上げが少ない計算になる完全な赤字」になるそうで、結果として「コースなど一定額以上の予約でなければクーポンを使用できなくする措置」を早急にとることになりました。ですので、現在すでに『トリキの錬金術』『トリキマラソン』では差額のポイントは得られません。

『Go To Eatキャンペーン』を統括している農林水産省からも、後付けで「飲食店へのクーポン利用システムの再構築を推奨」という措置がとられたようです。

一応「もうこんなことはできないよ」となったわけですが、この一連の問題、「モラルが低い人が一時的に起こしたくだらない問題」で片づけて良いものかどうか、大変モヤっとします。

飲食店でのモラルは人付き合いの指標の1つにもなる……と、みんな知っている

皆さまは飲食店を利用する時、「お店側への配慮」はしますか?

つい数か月前も、「居酒屋で無料の水+料理を頼むことの是非」が問題になったりしました。こちらは「料理はたのんでいるのだからOK」という人、「それではお店の儲けにならないからマナーが悪い」という人、現状だいたい半々くらい、というアンケート結果があちこちで発表されていました。

グレーゾーンな問題ではありますが、筆者は、1日の売り上げが店の経営にダイレクトに響くような小規模バーを愛している上、自分が飲食店のスタッフをしたこともあるので、「それではお店の儲けにならないから」と思う派です。

究極的には「お店側がドリンクオーダーを必須としていないならいい」で片づけられる話かもしれませんが、「お客主導主義の、気のいいお店ほど損をしやすい」というのはモヤっとします。

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