コラム 母が愛人被害妄想から悲劇のヒロインに……アラフォー世代に刻々と迫る「親のケア」という現実~その1~

半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

……なんて私ですら、長らく続くコロナ禍の中、基本的に巣ごもり生活が続いております。

例年、年末年始の休暇に出会っては旧交を温めるような、遠方に住む飲み仲間とも対面がかなわぬお正月でしたので、お酒を片手に長電話で、ここ最近の報告をし合いました。

40代の筆者の周囲で大変多かった話題の一つが「親世代のケア」です。「少子高齢化」は日本の抱える問題の一つですが、筆者の周囲ではすでに「親の高齢化」や「子どものいない高齢親族のケア」という問題に、現実的に直面している人が少なくありません。そしてその手の問題は、今後、多くの人にとっての「現実」になっていくのだと思います。

今回は、筆者の友人・サカキちゃん(仮名:40代・夫の仕事の関係で現在は地方に住むカルチャー系インストラクター)のお母様(まだ70代前半・都内在住)に「思わぬ衰えの傾向が出ている」という実例と、それによって起きる問題、対処法など含めてご紹介します。

70代前半の若さで認知症的な傾向を発症した母がずっと抱えてきた心の問題

サカキちゃんのお母様は、ずっと専業主婦でした。ご実家は資産家で、夫も高給取り。二人の子ども(サカキちゃんと弟さん)はともに中学校から私立に通わせ、学生時代には海外でのホームステイや短期留学も経験させるなど、教育熱心だったそう。

40代になり、さまざまな仕事も経験した今のサカキちゃんは、お母様をこう分析します。

「ファッションは長く着られる良いものをそろえて、外出などの必要に応じて百貨店で買い足していく……という感じで、あの世代の『コンサバなお嬢様系』がそのまま専業主婦になった、という感じの母なの。

いつも身綺麗にしていて、何不自由ない奥様、という感じだったけれど。

……今になって考えると、母にはあの当時から、趣味も、本当に仲のいい友人もいなかったと思う。私や弟の学校のママ友の話をするときも、どこかに悪口が入ってる、みたいな。

その分、エネルギーを子どもの教育に注いでくれたのかもしれないけれど、『パパは仕事ばかりで、学校選びもみんなママ任せ』とか、よく不満を言ってた。

基本的にうちの母は『私はこんなに頑張っていて、認められるべき人間なのに、周囲はそのように扱ってくれない!』って鬱憤をためていた人で、
子どもの学校選びの基準その他、すべての選択に『周囲に認められたい』『すごい!と言われたい』っていう見栄が入っちゃってるタイプ。

鬱憤のおおもとは、夫である父との性格の違いが、すごく大きいんだと思う」

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