コラム 親族の老後ケアのリアルレポート……独身・子なしの伯母が認知症になったら~その1~

半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に「一人飲み歴10年以上」の、きたざわ御神酒(おみき)です。

酒の席でふらりと出会った人々とのヨモヤマ話を中心にお送りしてきた本シリーズですが、コロナ禍の自粛で、最近はすっかり「家飲み+飲み仲間とSNSや電話で会話」というスタイルが定着しております。

前回は、年下の友人・サカキちゃん(40代)のお母様が、70代の若さで認知症的言動が増えてきた……という話題をお届けしましたが、

今回は、年上の友人・ユイコさん(仮名:50代後半・既婚・フリーのクリエイター業で主婦)の、「親+伯母&叔母3人の老後ケア」の苦労話をご紹介します。

昨今では「結婚しない人生」や「子どもを持たない人生」も自然な選択肢の一つとなってきましたが、ユイコさんの3人のおば様は3人とも独身で、お子さんもいらっしゃいません。それなりの経済力を蓄えて老後を迎えた女性たちですが、それでもユイコさんは現在「おばたちの老後ケア」に、少なからず奮闘しています。どういったハードルが出てくるのでしょうか?

親族にとって「たった一人の子ども世代」という現実が残った

「親+伯母&叔母3人の老後ケア」と書きましたが、ユイコさんのご両親と、一番上のA伯母様はすでに他界されています。お父様は60代の若さで病死され、その10年後にお母様もお亡くなりに。また、お父様のご兄弟にはそれぞれ家庭があるので、ユイコさんが老後ケアの心配をする必要はありません。

ユイコさんが現在、ケアしているのは、お母様方のB伯母様(80代後半)とD叔母様(70代後半)です。

ユイコさんのお母様は4姉妹の三女です。早くに嫁いで離婚された長女のA叔母様は、ユイコさんのお母様にとっては姉というより母のような存在で、ユイコさん一家とずっと同居されていました。このA伯母様は、両親共働きであったユイコさんのおうちの家事を取り仕切ってくれていた、ユイコさんにとってとても近い存在でした。

ユイコさんのお父様の死後10年ほどして、お母様が70代前半の若さで病死され、
その時点で80代・認知症が進行し、病院に入院していたA伯母様も、後を追うようにすぐに亡くなられました。

ユイコさんは語ります。

「A伯母は、母が元気だったころに入院していたから、介護の苦労のようなものはなかったの。大切な人の記憶や認識力が混乱してしまった寂しさや、お見舞いの時間を捻出して、洗濯等の軽い世話をする程度の手間だけで。『だけ』といっても、日常的に病院に通ってケアしなくてはいけない家族がいるという状態もそれなりにストレスなんだけれど」

確かにそうです。筆者の両親もそれぞれ長期入院したことがありますが、現役で働いている世代(自分)が、お見舞いの時間を捻出するだだけでもけっこう大変に感じますし、『家族が病気』という心理的ストレスもずっと続きます。それが「たぶんもう治らない病気」で、いつまでその状態が続くのか全く見えない……という状況は辛いでしょう。

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