コラム 米国軍人専用ホテルのボーイに、財界の大物の愛人。酒の席で人生の大先輩から聞いた仰天エピソード~その2~

パパに同伴して、アジア某国の迎賓館での会食へ。まさかのメニューは失神級!

タエさんの海外旅行話で、いちばん驚いたのが、アジア某国の迎賓館での凄いメニューのお話です。

「パパは偏食気味だから、どんな珍しい料理でも食べたい!っていう、食いしん坊で好奇心旺盛な私は、会食の同伴に重宝されたの。パパが食べられなくても、同伴の美しいレディーが提供されたお料理を気持ちよく平らげたら、先方も気をよくして商談が進むから、ね。激辛もゲテモノも何でも来い!なのよ、私。……でも、一つだけ、食べられないメニューがあったなぁ」

……どんなメニューなのでしょうか?

「ある国の迎賓館でね、お皿の上に銀の蓋がついたお料理が出てきて。通訳の人が『とても貴重な食材で、新鮮でなければ食べられない珍味です』って言うから、どんなものだろう?とワクワクして蓋を開けたの。……そうしたら……」

タエさんは、思い出したのか、ちょっと顔色を変えました。

「……小指の先くらいの、小動物の、生まれる寸前の胎児?がムニムニ動いてたの。え?って思ったら、ホスト側の方が、それにソースをかけて、フォークでプチっと刺して食べちゃって。……その後、記憶が無いのよ、私。失神しちゃったらしいの」

……そ、そんなメニューが!ひえ~!? 会食は大丈夫だったのでしょうか?

「目覚めたらホテルのお部屋でね。思い出して、私、パパに大事な会食の席でごめんなさい、って謝った。そしたらパパはお前が倒れたおかげで先方も『可愛らしいレディに意地悪なメニューだったかもしれません』って謝ってくれて、おかげで商談もうまく行ったよ。倒れ得だったぞ!……って笑ってくれた。ワガママなとこもあったけど、私にも子どもにも良くしてくれて、いい男だった……」

世の中にはいろいろな愛の形、文化、ビジネスがあるんですね。

この会食にともなって、一体いくらくらいの商談が動いたのかも興味がありますが、そこまで聞くのは下世話、と控えました(笑)。

高齢者に対して「老害」や「妖精(仕事ができず存在感が薄いこと)」など、マイナスな表現を聞く事もありますが、
ニュートラルな状態で会話すると、後進が知るよしも無いような、興味深い話を聞けることもあるのです。

筆者の経験上、面白い話を引き出すコツは、こちらが「すごく興味あります!」という空気をバリバリ出すこと。特に高齢の方がお相手の場合、「若い人には、自分の話なんて興味ないんじゃ?」と、あちらも気を遣っていらっしゃることが多いので、ちょっとした会話の前哨戦のところから「興味あります感」をオーバー気味に出すといいかも。

平坦にあいづちを打つだけの相手より、心から楽しそうに聞いてくれる相手になら、秘蔵の話でも聞かせてあげたい、という気持ちになるのが、人間の真理ですよね?

……ああ、はやく、一人飲みできる世の中が帰ってきて、また面白い話を聞けるといいなぁ(しみじみ)。

人生の先輩の話には学ぶべきことも多い。

<御神酒の手引>
人生の先輩との会話の際には、深い興味を持ちつつ聞き続けること

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プロフィール

きたざわ御神酒

きたざわ おみき……テレビ、ラジオ、WEB、雑誌で執筆中の雑食系フリーライター。30歳で「バー・一人飲みデビュー」をし、以後、居住地の下北沢中心にあちこちのバーに出没。趣味は「知らない人と話すこと」。趣味が高じて、一瞬、バーの店長をやったことも。
時には夜から昼まで飲み続けたウン年間のバー生活?で学んだ「女子の一人飲みルール」的なお話から、「バーで出会ったトンデモキャラ」のネタ話など、働く女子のタメになったりならなかったり、まったくどうでもよく移動中に読み流したいお話まで、酒にまつわるいろんなエピソードを書いていきます。