コラム 集中治療室で父が打ち明けたナゾの財産!? 回復後にわかった気をつけたい教訓とは~その2~

今回は、実父が手術入院で、一時は危険な状態に陥り、その後、無事に回復された……というユリカちゃん(仮名:30代・会社員・筆者の飲み仲間)の経験談をお送りしています。

危篤状態にあったお父さまが愛娘にだけ語った「ナゾの財産」のお話が、その後も家族の伝説になっているという事で、
その1では、エリカちゃんのお父さまのご病気が発覚するまでと、手術ができる状態になるまでの顛末、術後、集中治療室で意外過ぎる第一声が発せられたところまでをお送りしました。~その1~はこちら

『梅の木』と詳細な大金の金額……その意味は?

集中治療室で、ようやく言葉を発せられる状態になったお父さまの第一声が『梅の木』。

そしてそれに続く『1億1千294万3千2百とんで6円』という、あまりに詳細で大きな金額。

ユリカちゃんが続けて質問したところ、お父さまはかすかな声で切れ切れに、しかしはっきりと答えたそうです。

ユリカちゃん「パパ、『梅の木』とそのお金が何?」

お父さま「品評会で、お父さんの梅の木が一等賞とって、賞金が、1億1千294万、3千2百とんで6円」

ユリカちゃん「パパは、梅農家さんか何かにお金を投資してて、パパの持ってる木が品評会で優勝してすごい価値がついた、って事?」

お父さまは、うんうん、という風に、2回うなづいたそうです。

そして、続けました。

お父さま「(その木が)2本あるから、あの看護師さんに、1本、お礼であげるって、伝えて」

ユリカちゃん「看護師さんにその木を1本あげたいのね?お世話になってるお礼に?」

お父さまがまたうなづくので、「わかった、そうするから、パパ、安心して」と声をかけ、そばで働いていた看護師さんに「父が、大変お世話になり、心から感謝しております!」とユリカちゃんが頭を下げると、お父さまはユリカちゃんに微笑み、すーっと眠ってしまったそう。久しぶりの会話で体力を使ったのでしょう。

ぬか喜びする母と、冷静に分析する娘

集中治療室を出ると、父娘のやりとりを聞いていたお母さまがちょっとはしゃいだ様子。

「パパったら、そんなすごい隠し財産を持ってたって?やだ~、すごいわ!」

しかし、ユリカちゃんはお母さまをいなします。

「ママ、パパの言う内容は一応、つじつまがあってたようでもあるけど、梅の木に1億円以上もの値段がつくような品評会があったら、絶対にニュースになるだろうし、そんな話、私は聞いたことないよ!」

そして、お父さまの性格と語っていた内容を分析しました。

ユリカちゃんのお父さまは、現役時代、観光産業の大企業で管理職をしており、特に経理処理の的確さが評判で「計算機」とまで呼ばれた方でした(ちなみに「とんで」という表現は、数字が0の位を表現する昭和的な言い回しです)。詳細な同じ金額を何度も正確に繰り返したのは、その名残だと思われます。

また、梅干しが名物の地域を長期間担当した事があり、産地の方との交流も深く、「農家は天候に左右されて大変だから、もっと報われるような方法があればいいのに」とよく言っていらしたそう。

そして「なんでも自分でやりたい、ひと様のお世話になるのがすごく苦手」な性格で、家族にも頼らないところがあるのに、看護師さんのお世話になっている現状は、本人的に「自分が歯がゆく、許せない」心持ちであろう……と。

「そういうパパの性格とか経験が、ああいう妄想を作ったんじゃないかと思うよ」

……ユリカちゃんの分析に、お母さまも、
「なるほど!すっごく、パパらしいわ、それ!」
と、うなづきました。

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