コラム 「地方移住」の明暗を分けたものとは。移住した人々の経験談に学ぶ、成功の秘訣~その1~

「まず、不便!車がないと生活必需品も買い物もままならないの。そういうところで1台の自家用車を夫とやりくりするのが面倒!…気晴らしできるセンスの合うカフェとかショップも近くにないし、自然があるって言ったって別に観光地みたいに、すごい景観でしみじみできるわけでもないし。なにより、職場やご近所、地域全体的に人の目がなんだかうっとおしくて、『東京差別』みたいなものを感じるのが、すっごくストレス!今すぐにでも東京に戻りたい…」

…と言いながら、もう5年も住んでるんですけどね。

リカちゃんの昔も今も知っている筆者から見ると、「ちょっと不便」「自宅近くにお店が少ない」等は、実は移住前から承知していた状況をあげつらうオマケみたいな文句で、
そういう「わかっていた事までキライ!」という気持ちになってしまう源は『東京差別』ってとこにあるようなのです。

移住につきまとう問題として「よそ者差別」はよく聞きますが、『東京差別』は、リカちゃん曰く、似て非なるものなのだそう。

住んでみなければ伺い知れなかった地域性

リカちゃんの移住先地域では、『東京差別』が、「東京以外の場所から来たよそ者」に向けられる「よそ者差別」よりも、無意識レベルで強く根差しているというのです。

「ジモティーがみんな、100年以上前の偉人の話とかを、今も誇っている向きがあって。それが『VS東京』の史実なもので、相手が『東京出身者』ってわかると、みんな無意識レベルで『この地域のほうが、こういうところが東京より優れてるだろう!』って、よくわかんないマウントを取ろうとしてくるの。

私はまさか、100年以上前の史実のことなんて思いもしないから、職場でもご近所でも最初に普通に『東京から来ました』って自己紹介しちゃったわけ。そのせいで、その後もずっと何かにつけて、『こっちの道路は東京より立派なんだ』とか『この土地の神社は東京の○○神社より凄い』とか、なんで今急にその話?ってマウントを、日々、会話に入れ込まれるのよ」

…なかなかですね。

ちなみに旦那さまだけは「東京から引っ越して来たけれど、実家は他県」をアピールしたら、ジモティーのマウントから抜けられたのだとか。

「私は生まれも育ちも東京って最初に言っちゃったから、職場でもご近所でも、もう、日々のマウントから逃れられないの。…移住する際の覚悟として、多少のよそ者扱いは想定してたけど、変えようもない出身地を理由に無意識の敵意を持たれるっていうのはなかなかキツいよ」

ずっと家に居て仕事できるなら、都心にこだわる理由がない。

後編では、別の事例もご紹介しつつ、「おひとり様の地方移住はどのような準備をすれば成功するのか?」というポイントをまとめて参ります。

~その2~に続きます。

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プロフィール

きたざわ御神酒

きたざわ おみき……テレビ、ラジオ、WEB、雑誌で執筆中の雑食系フリーライター。30歳で「バー・一人飲みデビュー」をし、以後、居住地の下北沢中心にあちこちのバーに出没。趣味は「知らない人と話すこと」。趣味が高じて、一瞬、バーの店長をやったことも。
時には夜から昼まで飲み続けたウン年間のバー生活?で学んだ「女子の一人飲みルール」的なお話から、「バーで出会ったトンデモキャラ」のネタ話など、働く女子のタメになったりならなかったり、まったくどうでもよく移動中に読み流したいお話まで、酒にまつわるいろんなエピソードを書いていきます。