『素人クライアント』の受発注に限ったクラウドマッチングサービスが内包する問題
筆者が見せてもらったところ、ララちゃんのイラストのクオリティはプロ級です。ララちゃんだけではなく、ララちゃんの資金源となっているクラウドマッチングサービスでお仕事募集しているアカウントには、大人気ライトノベルの表紙に採用されても違和感のないレベルの作品がてんこ盛りでした。
しかし、そのサービス内でクライアントとなるのは、個人ばかり?「弊社の新商品『○○』のイメージキャラクター画を…」的な、企業等のプロのクライアントは、ほぼ皆無です。個人のクライアントが、自分の好みのクリエイターに、「あなたのイラストが大好きなので、こんな髪型でこういうシチュエーションのイラストをお願いします」とか「『(人気作品名)』のキャラクター・○○が、泣きそうなのに微笑んでる顔を描いて欲しいです!」などのリクエストをして、1枚数千円から、人気の人なら1枚数万円ほどの報酬が発生する、という形態です。
よく見てみると、商用利用を目的とする依頼は、このサービス内ではなく、別途、個人間で連絡先を交換して行うという規約がありました。つまりは、個人の「大事に眺めたい」「自分のSNSアイコン等で使いたい」という用途に限って、受発注が可能なサービスなのです。
…なるほど、筆者にも、リリコさんの「娘の就職」に関する不安は、よくわかりました。
リリコさんが不安視しているのは「スキル」ではなく、「メンタル」なのです。

実は、筆者の周囲の商業ベースのクラウドマッチングサービスでも、リリコさんの懸念を裏付けるようなトラブルが、近年は多発しておりまして…。
詳しくは~その2~に続きます。