コラム 20歳・家出娘の資金源はクラウドマッチング!? ニューノーマル時代の働き方で心配なこと~その2~

今回は、筆者の女友達・リリコさん(仮名:40代・地方に拠点を置くメーカー経営者)の娘さん・ララちゃん(仮名:20歳・美術系短大生・就活中)が都内に家出したお話を発端に、ニューノーマル時代の働き方・生き残り方を考察しております。

その1では、ララちゃんの家出の理由や、家出の資金源について、そしてその後の条件付きで親のフォローありの、都内ステイ継続を検討中である事などをご説明しました。~その1~はこちら

本人しか関わらない成果物のクオリティだけでは、プロの資質は測れない

さて「娘はこんな状態でまともに就職できるのかしら?」というリリコさんの悩みどころが、ララちゃん本人が「活かしたいと希望しているイラストの技術力」ではなく「メンタル」であること、言われずとも筆者には伝わりました。だって、絵は本当に上手。仕事上、プロのクリエイティビティと関わっている筆者が見ても、「その気があれば今すぐツカえそう」な、「作画スキル」は十分すぎるのです。ララちゃんも、同じサービスに登録している他の多くのイラスト屋さんも。

しかし彼ら、たぶん「プロの仕事はできない」または「したくない」から、素人クライアントしかいないサービスでお小遣い稼ぎをしているのだと思います。

筆者の友人には、イラストレーターはじめ、多くのプロのクリエイターがおりますが、ひと昔前の数年間、プロの中堅クリエイターのお仕事受注量が、平均的に減った数年間がありました。

理由は、クラウドマッチングサービスの登場により、「素人だけれど、それなりに絵がうまい人」「動画編集ができる人」等が、格安でプロ向けだった仕事を受注しはじめたからです。発注する側の企業等もプロとはいえど、クリエイティブの専門職ではないから外部発注するわけで、多少見劣りする程度の成果物でも「正直、大きな違いはよくわからないし、価格が5分の1になるなら、安いほうに頼んでみよう」という状態です。そういう流れが出た際、「素人が、業界の最低受注価格を崩壊させてしまっている。まともな仕事が発生しなくなるのでは?」と戦慄したプロも多かったと思います。

しかし、そうした流れも2~3年ほどすると立ち消え、クライアントの意識は「高くても最初から、長くプロとして活動している人に頼んだほうが、実はコスパがいい」に変わりました。ビジネス上、クライアントが作品に口を出すのは当然です。前提はもちろん「そのクリエイターの作風が、基本的には気に入っているから」発注するわけですが、企業案件等は、現場でやりとりする人物と上長の持っているイメージが違っていたりして、驚くほど極端な修正希望(というか命令)が急に発生するなど、日常茶飯事です。

素人は、その段階での対応スキルがなかったり、最悪逃げたり…というケースが多発し、結果、「やはりプロの人に頼むのが早道」という新常識が樹立したわけです。

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