コラム 【酒とイタタ!】実はしっかりさんの方がヤバイ!?電話でわかる「本当に危険な泥酔パターン」~その2~

酔っぱらってかけてくる電話は、一定期間つきあえば何とかなる人もいれば、何とかならない人もいます。本当に危険な泥酔電話とは一体どんな特徴があるのか?ふいに泥酔電話をかけてくることが不定期に3か月以上続く場合、精神的にピンチな状態かもしれません。

普段はとてもしっかりしていて頭もいいノボル君(仮名)が、そんな泥酔電話をかけてくる状態に至った経緯は~その1~でお話ししました。ここでは、彼のその後ともし本当に危険なパターンの泥酔電話がかかってきたときの対処法をお伝えします。

友人に唐突な泥酔電話をかけてしまう人は治療が必要な状態

ノボル君の泥酔電話から、彼が「大丈夫」と言いながらも心療内科に通院していることは聞いていました。

賢い人だったので物事を深く考えすぎる面があり、長年連れ添ったパートナーと別れた後に現れた新しい恋人がダメンズだったとわかったとき、カウンセリングを受けることにした、というのです。それは、自分の幼い頃の親との関係がそういう相手を寄せ付けてしまう精神状態に影響しているのではないか、と思ったからだそう。

その話を聞いたとき、「そこまで自分を理解し、しっかりアフターケアもしているから……」とすっかり油断していました。ある日の日中、ノボル君からLINEが来て「自殺未遂をして入院しちゃった。でも今は快方に向かっているから大丈夫」と知らされたのです。

すぐに共通の友人に連絡を取り、二人でお見舞いに駆け付けました。しかし、ノボル君はなぜ自殺未遂に至ったのか、原因を全く覚えていなかったのです。当時、抗うつ剤とアルコールを大量摂取していた様子。脳外科のお医者様からも「脳の一部の神経が死んでしまい、一部の記憶はもう戻ることはない」と診断されていました。

ただ、本当に死にかけたとき、ノボル君は自分にずっとアプローチしていた男性に「救急車を呼んで!ヤバイ!」と泥酔電話をかけ、一命をとりとめたのです。本人の記憶からはそのことすら消えてしまいましたが、最悪の事態に至る前に、生に対する執着があったことが幸いしました。

ノボル君は長期入院し、アルコールと向精神薬の影響を完全に身体から追い出しました。今は退院して社会復帰しています。この件で筆者が痛感したのは、泥酔電話はとくに几帳面でしっかりしていて、利発で責任感の強いタイプのほうが危ない、ということ。

ノボル君は、自殺未遂を知らせる連絡文にすら「大丈夫」と書いていました。「大丈夫」と言う人ほど危ないとはよく言いますが、実際にそうなのです。

利発で責任感の強い人からかかってくる泥酔電話は本当に危険

というのは、筆者の若い頃の親友・リカちゃん(仮名)もこのタイプだったから。思えばリカちゃんも、ノボル君と同じ症状の泥酔電話を続けた時期がありました。リカちゃんと筆者は幼馴染でしたが、彼女も実に優秀な女性でした。

リカちゃんの泥酔電話は「酔っぱらうと勉強が止まらないの」というもの。彼女には当時恋人がいましたが、よくある恋バナなどはしません。酔って、自分の好きな学問の話を続けるのです。

彼女は古風なご実家の希望に従って、大学卒業後は実家に戻って家事手伝いをしていました。しかし、本当は社会に出て自分のスキルや頭脳を活かすことを望んでいたのだと思います。進路の決断は最終的には彼女自身が下したものでしたが、心の底では家から出たがっていたのではないでしょうか。

大学卒業が近づくと寮から、ご実家に戻ってからはご実家から、唐突で不定期な泥酔電話が、2~6週間に一度、1年以上続きました。心配でしたが、筆者も新卒1年目で必死に仕事に食らいついていた時期。遠方に住む彼女に会いに行く時間はとれませんでした。

そしてノボル君と同じようにリカちゃんも、泥酔しながら理路整然と「大丈夫よ」と言っていました。筆者が新卒2年目に突入した頃、リカちゃんは彼女の敬愛する学者の誕生日に合わせて、この世を去りました。

筆者があの頃、彼女の危うさを理解できていれば、ご家族に相談したり、プロの助けを求める事など提案できたのに、と悔やまれます。私事ですが、筆者はリカちゃんの死と向き合った結果、当時就職していた会社を退職し、フリーランスの今の道に入りました。

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