コラム コロナ禍において、正社員は勝ち組か?働く女性の光と影~その1~

「仕事があるだけまし」が落としどころに

コロナ禍において働く女性たちを取材する中で、最近もっとも印象に残った言葉が、「公務員でよかったって初めて思った」という39歳の保育士さんの言葉です。

保育士は基本が長時間労働のうえ、時間外労働も多い、要資格で子どもの命に関わる重要な職務に関わらず見合った給与が払われていないなど、社会問題にもなっている職業のひとつです。しかも、保育園内新型コロナウイルス感染が非難の的となり、さらに日々緊張状態を強いられている状況。それでも「税金で仕事をさせてもらえている自分はありがたい。感謝しかないと思った」という彼女は、特別定額給付金の10万円を医療支援の財団への寄付に回しました。もともとは長年、保育士の労働条件の向上を熱く語っていた女性です。ですが、今は「こんなにも仕事がなくてお金に困っている人が増えている中で、労働環境の改善を求めるとか、ずうずうしい気がしてきた」と言います。「気持ちに折り合いをつけた」といえばそうなんでしょう。しかし、筆者はなんだか釈然としない思いが残りました。

現在、ショップ店員として働く45歳の独身女性は、8月に契約社員だったホテルを雇い止めに。

「一応満期ということでしたが、1年前に採用されたときには、継続延長で5年は働いて欲しいと言われていたんですよね。基本給は手取りで13万円程度でしたが、深夜勤務代も残業代もきちんと出るし、寮付き。私にとっては願ってもない仕事だったんです。緊急事態宣言で営業も大幅に縮小されて、従業員目線でも、経営は厳しいだろうなということはわかります。なので仕方がないですよね。

今の店の時給は900円です。掃除のほか、発送用商品を段ボール箱を組み立てて梱包したり、接客をしています。社員登用もありということで応募しましたが、面接のときに、しばらくはお客も少ないし、頼めることも限られているから週3くらしかシフトに入れないと言われて。愕然としましたが、昼間の仕事に就ける可能性は捨てたくないと思って、居酒屋さんとのダブルワークにしています。できるだけ食費を減らすようにしたりして切り詰めて、ギリギリの生活ですが、生きてはいけます。それだけでもありがたいです」

ここでも、「ありがたい」という言葉が出ました。世界に感謝して生きる、というのはステキなことです。ウィズコロナの生き方も考えなければいけません。でも「ありがたい」が、「釈然としないけどしかたがない」という意味になるのは悲しいなと思うのです。全部コロナのせいですよ。

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