コラム 「また」キュンドラ2度目のヒロイン抜擢!そこまで重宝される上白石萌音の魅力とは~その1~

「恋つづ」はコロナ禍の一服の清涼剤だった

新型コロナがざわつき始めた2020年1月からスタートし、3月の最終回には高視聴率ドラマとなった『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)。 原作である人気少女漫画の世界観をそのまま3次元化したような、見目麗しい佐藤健さん演じる敏腕冷徹ドS医師の一挙手一投足は、まさに目の保養でした。恋愛日照りでもそうでなくても、佐藤健さんファンでもそうでなくても、回を追って加速する「ツンデレ夢展開」に妄想爆発、世の女子をキュン死に追いやる、ある意味「罪なドラマ」として名を残しました。

そのドラマでヒロインを演じていたのが 上白石萌音さん 。2011年に女優デビュー。大ヒットアニメ映画『君の名は。』でヒロインの声を担当して注目を集めた若手女優さんのひとりで、さまざまなメディアが発表している「好きな20代の女優さん」ランキングなどでも、上位に入る22歳です。その彼女が、 1月から始まる同枠の連ドラ『 オー!マイ・ボス!恋は別冊で 』で再主演すると報道されました。 2度目のヒロイン抜擢です。『恋つづ』のヒットも起因しているのでしょう。

新ドラのヒロイン設定も「普通の女の子」

新ドラマは、オリジナル脚本ですが、ヒロイン設定は「恋つづ」と同様、「普通の女の子」。前作は新米ナースで今作は大手出版社のファッション雑誌編集部社員と、業種は違いますが「仕事は未熟だけれど、まっすぐで一生懸命で健気な女の子」です。これを「普通」と言ってしまうのは語弊があるかもしれませんが、死者を呼び出すスペックがあるわけでも天才マジシャンでもない、という点では「普通」といえるでしょう。いわゆる「少女漫画的ラブコメの王道キャラクター」です。

最近、お仕事恋愛系ドラマのヒロインが若くなっているということが言われていますが、 「仕事は未熟だけれど、まっすぐで一生懸命で健気な女の子」 はアラサーではとうてい無理。 「まっすぐで一生懸命で健気」はなんとかいけるかもしれませんが、それでも世の荒波にもまれて数年経って入れれば、経験値もあがって然るべきで「仕事でのドジ」が微笑ましくみえることはありませんし、「仕事が未熟」はチャームポイントにはなりえないのです。

『ファースト・クラス』 が面白かったのは、女性のドロドロ感情の垂れ流しだったわけですが、沢尻エリカさんが演じたヒロインは26歳で、足の引っ張り合いに巻き込まれたのも「もう若くもないくせに新人、なのにたまに優秀」という嫉妬がかかわっていました。

葛藤のレベルが低くても気にならないのも、ヒロインが「若い」からこそ。嫉妬の対象にならないのです。ターゲット層から外れているであろう、うんと年上の女性たちが、 『恋つづ』 の佐藤健さんをとことん堪能できたのも、ヒロインに雑味もひっかかりも感じなかったからです。「その年齢なら、そういうことをしても、しょうがないよね。まだ若いし。むしろそこがかわいいといえる」という、いい意味での上から目線をもてたことで、すんなりとドラマの世界観に没入できたのです。同世代だけでなく、上の世代からもドラマの評価が高かったのは、佐藤健さんの魅力もさることながら、上白石さんの「ちょうどよさ」も大いに貢献したと思われます。 ヒロインでありながら悪目立ちせず、ドラマ全体を底上げできる女優さん、ということなのかもしれません。

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