コラム なぜ?30代独身女性に増える「マンション買っちゃおうかな」症候群~その1~

30代は第一次「マンション欲しい」期 ?

51歳になる筆者の知人は、「フルリノベーションをかけて売りに出すことにした」からと、25年住んだ家賃10万円の賃貸マンションの契約を打ち切られました。入居10年目あたりから何度か2500万円で購入を薦められていたそうですが、「こんなに長く住むとは思わなかったから」と断っていたそうです。

しかし、結果的に家賃として支払った額は計算してみると……なんと3000万円!快速急行が止まる駅近、東南向き、最上階、ルーフバルコニーつき。25年住んだ街には愛着もわき、今さらほかの街になんて住めないということで、同じエリアで似た賃貸物件を探したそうですがなかなか見つからず、ひとまず実家に戻ることとなりました。「家賃半年分の額を退去費用として受け取ったから、賃貸でも分譲でも、とにかく半年以内に見つける」と意気込んではいましたが「こんなことになるなら35歳のときにあのマンションを2500万円で買っておけばよかった」と愚痴っていました。

仕事が大好きで、「オフィスが徒歩圏だからいくらでも残業できる」という理由で赤坂の分譲マンションを27歳で購入した知人は、32歳で授かり婚をした際に、マンションの査定をしたところ購入金額から1000万円以上のプラスが出たということで売却し、都心からほど近い、緑の多い人気エリアの駅上物件に引っ越していきました。

こんな話を人生の先輩たちから聞くと、「結局本当に一生独身だとしたら30代で買わないことに後悔しそう」「万が一ライフスタイルが変われば売ればいい(なんなら儲かるかも♡)」となって、「欲しくなっちゃう」のかもしれません。

筆者も購入した組です。好きな人にコテンパンにフラれ「一生独身かもしれない」と思ったのは事実ですが、その頃から、「これから高齢者も増えていくし、賃貸の部屋余りが始まるから、独居老人は部屋が借りられなくなるなんてことはない」と言われていましたし、「一生独身で賃貸暮らしだと老後に住む場所がなくなるかもしれない」という不安はさほどありませんでした。なのになんで買ったかを思い出してみると、ほとんどやけくそ、自暴自棄だったからと思います。

ストレスをお買い物で解消する人は多いと思いますが、ストレスが強いと、「ちょっとしたものを買う」程度ではスッキリできなくなってしまうんですよね。「人生、ひとっつもうまくいっていない」という気持ちの等価を探して、将来的に頑張ればなんとか買えるものがそのマンションだった、というのが正直なところ。

そして、当時、私なんてひとりで大きなローンを背負って一生苦しい思いをして生きていくのがお似合い……など、どん底妄想が膨らみやすい鬱々状態だったのです。「マンションでも買っちゃおうかな」という独身30代の中には、そういうタイプも一定数いるかもしれません。しかし、そんなふうに買った物件ではあったものの、今、意外にも後悔はしていないんですよ。

ただそれは、筆者が時流の「シンプルに、ものを持たずに暮らすことこそ美しい」とか「手放すものが多いほど自由になれる」という生き方と逆をいくタイプだから。「持っているものの数と幸せが比例する」と考えるタイプで、つまり、イマドキではないんですよね。なので、イマドキの独身女性が「マンション買っちゃおうかな」という気持ちになるというのは逆に不思議です。

「結婚しない」の先にある「マンション購入」は安心の証?

働く独身30代女性のリアルはどこにあるのでしょうか。その2では実際に聞いた意見を紹介します。その2に続きます。

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