コラム コロナ禍、独身、彼氏ナシ。30代女性が安心した暮らしを手に入れるには…【前編】

今週の「女のもやもやセラピー」のテーマは「30代独身女性の生活の不安」です。

コロナ禍で、非正規雇用の雇い止め、正社員のリストラが社会問題になっています。「明日は我が身」と不安を募らせる女性は少なくありません。先日、2回目となる10万円(相当)給付支援の対象が18歳未満と住民税非課税世帯と決まり、30代独身女性のほとんどは対象外となったこともその要因に。

「生活がかなり厳しくなったという実感は強いにもかかわらず、自分は国から助けてもらえる立場にはないということ。孤立無援感は否めない」と肩を落とす吉野由美子さん(仮名・37歳)は、3度の転職で現在の会社に契約社員から正社員となったものの、コロナ自粛中は、無給の自宅待機。去年の年収は例年の3分の2以下だったそう。「そもそも見込み残業込みで手取り25万円を切るくらいの月収。常に生活はカツカツでした」。

手取り25万円は、地方によっては「十分やっていける」という額かもしれませんが、不安なく都心のひとり暮らしができるかと言われれば難しいところ。

フリマアプリで服や化粧品を売って生活費の足しに

「アパレル関係のイベントを請け負う会社なんですが、コロナの感染拡大に反比例するように次々と中止を余儀なくされて。自宅待機で無給、という通達があったときにはショックでしたが、仕事がないんだから給与が払えないのも仕方がないし、解雇されないだけマシという気持ちでした。

周囲から、“社員なんだから自宅待機が 無給なんておかしい ” って言われて、私もそう思ったりもしたのですが、業績が下がっているのは確かだし、社長に不満を言ったところで認めてもらえるわけがない。生意気だと思われてイヤなら辞めたら?と言われるのも怖かったんですよね。正社員っていう立場も今の仕事も諦めたくなかったんです」

自宅待機の期間は、フリマアプリで服や化粧品を売ったり、部屋の片づけをしたりして、なんとか気持ちを落ち着かせていたという彼女。しかし、「ひとりで家にいると、急に不安に襲われて震えてくるんです。そうするとついついアルコールに手が伸びてしまって。起きている時間はずっとお酒を飲んでいるような生活になってしまったんです」

不安を忘れようとアルコールに溺れる日々

ベロベロになってLINEで繋がっている人にメッセージを送り続けていたら、異変に気付いたひとりが部屋に駆けつけてくれたそう。

「こっちは酔っぱらっているし、なんで来てくれたのかもわからない状態。しかも、めっちゃ叱られて腹も立つんです。もっと頼ってよって言われてもこっちだってプライドがあるし。なんか、ケンカのようになってしまって、その日はふて寝しました。それでも、その友人は親切で、見捨てずに手を差し伸べ続けてくれたんです」

介護職についているその友人の紹介で、ヘルパーのアシスタントをさせてもらえることになったという吉野さん。「慢性的に人手が足りないから、来られるときに来てくれればいい、と言ってくれたのもありがたかったです。週に数時間作業して、月に6万円程度はもらえる。貯金を食い潰し続ける不安は、少しですが緩まりましたし、何よりも、人と接せられるというのが救いになりました」

しかし、6万円では“焼け石に水” 。もっと働けると思った吉野さんは、さらに近所の雀荘の掃除の仕事も始めたそう。「自分の部屋は限りなくゴミ屋敷なんですが(笑)、掃除そのものは嫌いじゃないんですよね。お店の人やお客さんと話すのも楽しいし。気が晴れるんですよ」。

そうして、少しずつメンタルを立て直していく中で、本業が通常出社に。現在は業績巻き返しのために全国各地への出張営業も再開。連日終電帰り、週に何度かは終電を逃して会社近くに住む後輩の家に泊めてもらったりという激務に戻ったそう。しかし、ヘルパーアシスタントと雀荘清掃のバイトは続けているのだとか。

「週末の昼間に介護、夜に雀荘です。ひたすら時間に追われて仕事して、寝るだけという生活なら、不安になる時間もない。とにかく、不安になりたくないんです。怖いから。

でも、本業で疲れてしまって、起きられなくて遅刻してしまったり、ドタキャンしてしまうことも…。頑張りたいのにカラダがついていかないんですよね」。

そんな彼女に、ついに最後通告がなされてしまいます。
後編に続きます。

薄給でも「仕事があるだけまし」というマインドに蝕まれていってしまう。

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プロフィール

白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。