コラム 【もやもや】エンブレム決定に思う「そこそこなもの」への安心感~その1~

五輪カラー

4年に1度の世界の祭典、というものにほどんど興味のない人間でも、五輪カラーを見ればそれと思うし、五輪カラーじゃなくていいの? というもやもやもあるのです。

みなさんこんにちは。もやもやスプーニスト 白玉あずきです。今回も心の奥底に澱のように溜まる女のもやもやを、上から目線でセラピってみたいと思います。

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今回のテーマは「結局、普通が一番ってことなんですかね」です。

 4月25日、2020年東京オリンピック パラリンピックの新エンブレムが決定しました。2015夏のエンブレム酷似疑惑に端を発したこの再選定には14, 599点の応募があり、最終候補に残った4作品に対する意見募集には、のべ11万件の投稿が寄せられたとか。国民の関心度の高さが伺える一大イベントとなりました。

選ばれたのは野老朝雄さんがデザインした「組市松紋(くみいちまつもん)。エンブレム委員会メンバー21人中13人がこれに票を投じ、ダントツ人気を受けての決定だったと報道されていましたよ。

そうですか……。というのが、正直な気持ちです。

熊本や大分が被災し、揺れは少し落ち着いたようではあるものの、車中避難者の方々のエコノミー症候群多発の心配や、もともとお元気でなかった方々の避難所生活の大変さなど、2次災害と呼べる事柄が重く報じられていることもあって、あまり気分が高揚していないし、この、よくいえば小粋、率直に言えば地味な決定エンブレムは、私たちの今の気分にもっともマッチしているといえなくもありません。

別にどこがどう悪いっていうこともない。外国の方々にはこの落ちつきある色合いとシンプルなデザインが、クールでスタイリッシュに見えるかもわかんないし。

でも、最終候補の4作品が発表されたとき、Aは絶対にないな、と思ったのです。だって、4択の中からひとつの正解を導き出すとき、類似点がまったくないものを最初に外すのが選択肢問題のセオリーじゃないですか。まさかのA。フェイントすぎます。

Aは、たとえば通勤用のトップスを買おうと思ってお店に入って、シフォンのボウタイブラウスとスタンドカラーのブラウスと、テロンとした素材のシャツブラウスの中から1着を選ぼうと吟味していたら、お店の人が「これ、新作なんですよ」と持ってきたライダーズジャケットのように、ほかの3つと種類が違う。
いや、それはそれでステキだとは思うんですが、今選ぼうと思っているのはトップスなんですよ。選択肢に入っていないんです、という気持ち。

でも、うっかり買っちゃうことがあるんですよね、ライダーズジャケットのほうを。そしてあとで、あれ? なんでだっけ? とか思っちゃう。
そういうことになったりしないでしょうか。

聞くところによると、公募作品の約8割が日の丸をモチーフにしたものだったそう。白紙撤回されたエンブレムに日の丸(というか赤丸ですが)が使用されていたから、エンブレム選考委員の方々は見飽きてしまったのかもしれませんが、約8割のデザイナーがチョイスしたということは、それはそれで共感が得られるモチーフであるともいえるはずです。最終選考に1つも残らないなんて、そんなにダメなデザインばっかりだったのでしょうか。

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