コラム 【もやもや】平均所得541万9000円でも6割が「生活苦しい」で独身OLに希望なし?~その2~

もうひと方は嶋田良恵さん(仮名)。38歳、独身。吉瀬美智子さん似のショートカットが似合う小柄な女性で、複数の仕事をこなしながら、総武線快速が停まる新小岩の賃貸マンションにひとり暮らしをしています。

「メインの収入は時給1700円の事務の仕事です。フルタイムで月に10日~15日間入っているので12万円から18万円になります。ほかに、登録しているキャスティング会社から依頼される披露宴の司会のバイトが平均して月2~3回。あと、高級化粧品の販売もしていて、売れた分の20%が取り分になります。月の収入は税金や保険料を引くと18万円くらいですかね。単純計算で可処分所得は216万円。国民生活基礎調査の平均と比較するとかなり低くて自分でもびっくり(笑)」

――生活は「苦しい」ですか?

「裕福だなぁとはもちろん思ってないですが、苦しいって言うほどでもないです。家賃が9万円と光熱費通信費その他モロモロを合わせた固定支出が13万円くらい。残金で生活していますが、1万円くらい残ることもあります。ひとりだと食費もそれほどかからないし。友だちと約束がない限り、夕食をとらないようにしているんです。朝も食べたり食べなかったりで、基本ランチ1食」

――それ、おなか空きませんか?

「そりゃ空きます。でも、35歳を過ぎたころから、体型の維持が難しくなってきて、食べ過ぎちゃダメだなって思っていたのでお金も貯まるし一石二鳥なんです。慣れると快適ですよ。体が軽くて(笑)」

――欲しいものが買えないとか、やりたいことができないといったストレスは……?

「物欲はかなり低くなった気がします。20代のころは雑誌に出ているブランドバッグが熱烈に欲しくて清ブタ買いしたこともあったんですが、今はとくに惹かれない。第一、そんなに出かけないので新しいバッグを買う必要もないんですよね。おいしいものは太るし(笑)。やりたいことっていうと、仕事ですよね。もっと自分に合うというか、社会の役に立てることはないかと常に考えています。今は、手相と四柱推命の勉強をしていて、将来的には個人コンサルのような仕事もできたらいいなと」

――勉強のお金はどこから捻出しているんですか?

「単発で企業のイベントの司会の仕事が入ることがあるんです。1回で5~10万円になるので、それを使ったり、あと、友だちに頼み込んで化粧品を買ってもらったりとか。さらに危機感がアップすると、登録している派遣会社に新しい仕事を紹介してくれるよう、頼んだりもします。不用品をフリマアプリで売っていた時期もあるんですが、もう売れるものもなくて(笑)。なので、これはと思うものをネットオークションで落札して転売する、みたいなこともしたりもします。これがけっこう日銭になるし、楽しいんです」

――危機感はどのタイミングで芽生えるんですか?

「普通預金の残高が100万円を切るとまずいな、と思います。150万円あると安心できて、そのうちの50万円はいつでも使っていいことにしているんです。今、友だちが40歳前のかけこみ結婚ピークっぽくて、年内に3人の親友に披露宴に招待されていて。ひとりはハワイで挙げるっていうし、収入増やさなくちゃなーと思っているところです」

――なんとかなっちゃうものですか?

「時給1700円の仕事がひとつあるからなんとかなっているのかな。まわりには独身の友だちも多いですが、残業が多くて給料が上がらない会社にい続けるより、自由に収入をコントロールできるほうがいいって派遣勤務+αに働き方を変える人もけっこういます。派遣社員って会社の人間関係のしがらみが少ない分、正社員でいるときよりも精神的な疲れだけじゃなく、お金を使う場所も少なくなるんです。お金なんて、使わなければいらないですしね」

☆☆☆

月給手取り13万円の熊山さんも、可処分所得216万円の嶋田さんも、金額だけ見ると、けっこう生活が厳しいのではと思ってしまいますが、なんとかなっているようですし、お話を伺っていると、聞いているこっちも収入と生活内容のバランスさえ大きく崩さなければ、一生なんとかなるような気がしてきます。

万が一、ダメな男に貢いでしまったり、怪しい投資に手を出してしまったりしても「元気なうちは働けますよ。派遣会社のコーディネーターの人も、選ばなければ仕事はいくらでもあるって言っていました。仕事がないって文句言っている人は、選り好みが過ぎるのかも。あと、資格をとったりとかの、自分で努力してないとか」とは嶋田さんの弁。なんとまあ頼もしい。失敗したって挽回可能! ぜひとも自分の人生にクサることなく、前向きに頑張っていただきたいとエールを送るばかりです。

 

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プロフィール

白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。