コラム 【もやもや】ブス説まで浮上。アラサーの「電車でメイク」はどうしてこんなに嫌われるのか~その1~

電車内でメイク、したことありますか?
先月、東急電鉄がこれについてのマナー広告「車内化粧偏」を公開して出して、物議をかもしました。

ポスターは7人掛けのシートにひとりポツンと座っているOLさん風の女性がメイクしている写真と、それを見ている学生風の女性の写真が並び、手書き風の文字で「都会の女はみんなキレイだ。でも、時々、みっともないんだ」というコピーがつけられているもの。

そして、動画「車内化粧偏(マナーダンス)」は、前述の学生風女子が「みっともな!」と吐き捨てたあと、車内メイクをしているOL風女性たちの前で「教養ないないないないなーい。みっともないないないないなーい」という歌詞がついた曲に乗って、攻撃的なダンスをキレッキレに踊るというもの。

これまでも、車内でのメイクについてはいろいろ言われてきたし、マナー広告にも描かれてきました。

2008年の東京メトロの「家でやろう。」シリーズのマナー広告でも、ビューラーでまつ毛を上げている女性がいました。全面に黄色を使った目立つポスターを覚えている人も多いと思います。でも、その時は、こんな風にイラっとはさせられなかったものです。

その理由のひとつは、“並び”です。

「家でやろう。」シリーズでは、車内メイクがスポーツ新聞を広げて読む中年男性や、だらしなく座ってお菓子をボロボロこぼしながら食べている若者など、「残念な人あるある」の線上で語られていました。だから、「あ~ね~……」と思えたのです。

でも、今回の並びは、ながらスマホと満員電車でのリュックと整列乗車。「危ないからやめて」というものとひとくくりにされて、まず、「え?」となってしまった。

もうひとつは、「動画の演出が生理的にムリ」ってやつです。これはもう、炎上狙いのワザとなのかと思うくらい。攻めています。実際、ポスターは別段どうってことなく「こういう表現かー……」という感じではあったのです。

でも動画のインパクトは強烈でした。

透明感のある学生風女子の小ばかにした表情、「みっともな」と吐き捨てる口元、手足を振り回して真顔で踊る姿。
たった30秒なのに、全体を通して「なんかイヤだ」感がものすごい。「教養ない」という表現も驚きですが、最初はその部分が「需要ない」に聞こえて「ブスは化粧してもブス」という意味かと思いました。そう勘違いさせるほど、強烈でした。
「そして、都会の女はキレイだけどみっともない」という意味合いのコピー。上京したての若い女性視点というオブラートに包んで、「キレイっぽく見えても都会の女はまがい物」と言われている気がしたんです。

ずっと車内メイクに対してムカムカしていて、これを見てスッキリした! うまいこと言ってくれた! と感じた人もいるのかもしれない。そっち側の人には、電車で化粧をする女性に対してのいたわる気持ちや寄り添う気持ちはゼロのスタイルはよかったのかも。でも、こっち側は、ズバッと断罪されたことで車内でメークすることって、こんな言われ方されるほどのことですか? と反発心が沸々と湧き上がってしまった。

▶▶▶働く女性は車内メイクがみっともないことなんて重々承知

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