コラム 坊主で医師を伊藤英明が演じる、『ねんとな』の“熱き”ギャップ萌え

僧侶なのに人間的……いや俗物的!

「あれ? 僧侶なのに、そんなに俗世にまみれてていいの?」と思うような松本の口の悪さだったり、精進料理ではなくお肉も食べたり、ちょっとエッチな雑誌を職場で隠し持っていたり。そして松本がプールで泳ぐシーンがいまのところ毎話出てきていますが、それはけっして伊藤英明さんのムチムチの肉体美を見せつけるためではありません。緊急時の人助けに備えて鍛えているのですが、プールサイドの水着のおねえさんを見て、ついニンマリして煩悩を必死でふりはらうという、人間味あふれるキャラクターが描かれています。

「僧医」だからといって、常に崇高な視点で生と死を語るお説教くさいキャラクターとして描かれる主人公よりも、どこか身近に感じる人柄の方が、共感しやすいですよね。だからこそ、観る側も力を入れすぎずに、適度に緊迫しながらときどきリラックスするという“ギャップ”を楽しみながら、視聴できるのでしょう。

初回放送では「はあはあ」と息を切らしながら、心臓が動かなくなった患者に一生懸命心臓マッサージをする松本が描かれ、その姿は医師というよりも、なんだかアスリートのようにも感じました。松本から流れ落ちる汗が、患者の頰に涙のように落ちる描写があり、あえて少しゆっくりと、まるで患者が流した涙のようにも見える演出で印象的だったんです。

手がけた患者が必ず助かるわけではなかったり、僧侶として亡くなった方のかたわらで松本が念仏を唱えるシーンもあるなど、“救える命と救えない命”の両方をしっかりと見せているのも同ドラマの特徴。過去のある出来事を背負った松本の心の動きも、今後どうなっていくのか、気になるところです。

実は主役の伊藤さん、TBSドラマ主演は2007年放送の『孤独の賭け〜愛しき人よ〜』以来、今作が12年ぶり。前回は、水商売から出世を遂げたお金と欲にまみれた実力者役を演じていましたが、12年の時を経て、今回は煩悩をふりはらい命を見つめる「僧医」役を務めるというのも興味深いですね。色恋から生死……なんとも時の流れを感じます。

手術着を着ていても、鍛え抜かれたボディーがわかります。

今やすっかり“熱い男”でおなじみの伊藤さんですが、やっぱり『海猿』シリーズの主演がそうさせている部分もあるような気がします。大ヒットした「海猿」シリーズでは、海上保安庁の潜水士(海猿)の役を演じ、エネルギッシュに熱い演技を披露していました。『ねんとな』でも役のために丸刈りにして、熱い使命感に燃える主人公を演じています。もう、松岡修造さんが日本にいない時は、伊藤さんがいれば大丈夫!というほどの“熱い男”キャラ確定です。

そんな伊藤さん演じる松本が、これからドラマの中でどんな筋肉美を見せて……いや、どんな熱い演技を見せてくれるのか、引き続き視聴していきたいと思います。

『病室で念仏を唱えないでください』(こやす珠世/小学館)1~6巻発売中。

『病室で念仏を唱えないでください』https://www.tbs.co.jp/nembutsu_tbs/
※写真提供=TBS

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プロフィール

かわむらあみり

ライター/エディター/コラムニスト。 
大阪生まれ。出版社勤務後、ライター・エディターとして独立。編集者として担当してきた音楽やテレビなどのエンタメ、そして独身時代に婚活で約1000人の男性と会った末、13歳年下の夫と結婚して一児の母になった経験から恋愛や婚活、育児といった女性のライフスタイルに役立つ情報までを手がける。マガジンハウス「Hanakoママ」「anan web」でもコラム連載中。amirikawamura.com