コラム ドはまり続出中!地獄から立ち上がる『梨泰院クラス』のパク・セロイが掴んだものは? 愛と下克上の物語

「タンバム=甘い夜」を軸にじわじわと交差する恋愛関係もみどころ

美人のオ・スア(クォン・ナラ)とセロイの恋の行方は? (Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中)

主人公のパク・セロイ(パク・ソジュン)が、長家(チャンガ)グループ会長親子に復讐し、地獄から立ち上がって成功を掴んでいくストーリーが展開するなかで、ヒロインの存在も気になるところ。『梨泰院クラス』には、まったくタイプの違う女性が2人登場します。

セロイが高校生のときに初めて恋をするオ・スア(クォン・ナラ)は、セロイの父に助けられながら孤児院で育ちます。しかし、セロイの父亡き後、長家グループに就職し出世しますが、変わらず自分に想いを寄せるセロイを待ち続けるという、一筋縄ではいかない女性。セロイと対立する企業の人間であるものの、ずっとセロイを気にかけてちょこちょこ現れては仲良しぶりを見せつけます。

もともと韓国のアイドルグループだったオ・スア役のクォン・ナラさんは、すらりとした長身と美脚、整った顔立ちの超美人。高校時代はボブヘアで、成長してからはロングヘアで、時の流れを演出しています。その一方で、セロイはずーっと、個性的な短髪頭。劇中では「いがぐり頭」と呼ばれていますが、時を経てまわりが変わっていっても、内外ともに変わらないセロイの“不動の精神”をそこに見て取れる気がしました。

そんなセロイが開店したお店「タンバム」に集まる仲間のひとり、チョ・イソ(キム・ダミ)は、ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)でIQ162を誇る秀才の人気インフルエンサー。セロイに恋をして、お店のマネージャーとして、タンバムの発展に多大な貢献をします。スアとはガラリと違った設定のキャラクターですし、親しみやすいルックスで、外見もまったく違うイソ。

あるときセロイとイソが飲んでいるときに、店名「タンバム(甘い夜)」の由来を話すシーンがありました。「俺の人生はとても苦い」「少しでいいから、苦い夜を、俺の人生を甘くしたかった」と語るセロイを見つめるイソは、恋する乙女そのもの。心のなかで“まただわ、心がざわつく”と実感するイソ。セロイとイソのシーンでも、胸がキュンキュンする視聴者はいるのでは。

ときどきセロイがイソに“頭ポンポン”をするんですが、これって、ズルいですよねぇ。だって、慕っている年上の男性に笑顔で見つめられて“頭ポンポン”されたら、さらに恋する気持ちが膨らんでしまうじゃないですか。受け身のスア、能動的なイソ、どちらに感情移入してしまうかは、視聴者の恋愛遍歴や好みによってわかれるところではないでしょうか。

セロイを巡って2人の女性が火花を散らすわけですが、他にもさまざまなキャラクターが登場します。イソに片想いする長家グループ会長の愛人の息子・チャン・グンス(キム・ドンヒ)、ギャング出身のチェ・スングォン(リュ・ギョンス)、トランスジェンダーのマ・ヒョニ(イ・ジュヨン)、ギニア人と韓国人の血を受け継いでいるキム・トニー(クリス・リヨン)など。複雑な背景を持つ人物たちを“信頼”という大きな器で受け入れる、セロイ。

どのような境遇にいても、自分の価値を「自分で決める」と断言するセロイだからこそ、多種多様な人たちと深い信頼関係を築くことができるのです。さらに、揺るぎない「あ、この人絶対大物になる」的な“持ってる男”感がほとばしるセロイゆえに、スアやイソといった女性たちが惹きつけられてしまうんですよね。最後にはスカッとした気持ちにさせてくれる『梨泰院クラス』は、愛と下克上の物語でした。

セロイを支える仲間のチョ・イソ(キム・ダミ)の恋心は届くのか。(Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中)

Netflix『梨泰院クラス』https://www.netflix.com/title/81193309

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プロフィール

かわむらあみり

ライター/エディター/コラムニスト。 
大阪生まれ。出版社勤務後、ライター・エディターとして独立。編集者として担当してきた音楽やテレビなどのエンタメ、そして独身時代に婚活で約1000人の男性と会った末、13歳年下の夫と結婚して一児の母になった経験から恋愛や婚活、育児といった女性のライフスタイルに役立つ情報までを手がける。マガジンハウス「Hanakoママ」「anan web」でもコラム連載中。amirikawamura.com