仕事&マネー 日本の金利はなぜ低い?預金でお金が増えないのは経済を強くするためだった

銀行は、企業や個人事業主などビジネスを行なう人々にお金を貸し出しており、借りた人は銀行から安い金利でお金を借りることで儲けを出しやすくなります。このように、金利には「貸す側」から見る金利と「借りる側」から見る金利二つの側面があり、貸し出す側が(少し不満を感じながらも)低い金利でお金を貸し出してあげることが、借りる側からすると大きなメリットとなるのです。

日本国債の金利は、2008年に起きたリーマンショックによって資金繰りが苦しくなる企業が続出したことから徐々に下落。政府は該当企業がお金を借りやすくするために、銀行が貸し出す金利を下げるような政策を取り続けてきました。「預金しないでもっとお金を使ってほしい!」というそれまでの政府の考えとも一致して、預金金利低下のさらなる低金利化がすすんだのです。前述した政策を「金融緩和政策」といいます。

お金を返せなさそうな人からは金利を多くもらうのが金融の基本

現在、新型コロナウィルスにより経済的にも大きな打撃を受けているイタリア。そもそも国の借金がGDP(国内総生産のことで、国の生産性を表すためその国の経済力としてよく利用される数字)対比で130%にものぼります。つまり、借金の方がその国が生み出している価値よりも大きいのです。このような国に進んで多くのお金を貸したいと思う人はあまりいないでしょう。

誰かに対して個人的にお金を貸すことを想像してみましょう。

たとえば、友人がやってきて新しいビジネスを始めるからお金を貸してほしいと頼み込んできたとイメージしてください。相手はお金を貸してくれたら、借りた金額の5%を月々の金利として支払い、3年後には借りた全額を返すと言っています。

友人がとても優秀な人で過去にも様々なことを成功させてきた実績がある人だったら、「この人ならきっとビジネスを成功させることができるだろう」と喜んでお金を貸してあげるはず。一方で相手が過去にも事業に失敗してすでに借金を抱えている状態だったなら、お金が帰ってこないことを想定してそもそもお金を貸さないか、あるいは5%以上の金利を要求するかもしれません。

このように、お金を貸す際に戻ってこないかもしれない可能性が金利に反映されます。お金を返してくれなそうな人であればあるほど、金利が高く設定され、お金が借りにくくなっていくのです。

日本の国債金利が上昇してきたら注意

現在、日本では国の政策により低金利が続いていますが、もし日本の国債を買う人がいなくなれば、上記のイタリアのように金利が上昇してくるでしょう。そうなったときは、なぜ金利が上がっているのかを正確にとらえる能力が必要です。

「信頼がある人は低い金利でお金が借りられるはず」という原則を忘れずに、今後の金利の動きをチェックしていきましょう。

文/山根ゆずか

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