仕事&マネー 【貧困女子】保育園休業で「詰んだ」……シングルマザーの崖っぷち生活~その1~

女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです 。

大江晴美さん(仮名・40歳)は、心理カウンセラーの仕事をしているシングルマザーです。

「幼いころから人の心に興味があったので、心理にまつわる仕事がしたいと思っていたんです。短大卒業後は、アパレルメーカーに就職しましたが、半年で辞めました。それからいろんなことをしつつ、独自に心理や脳の勉強は続け、様々なセミナーに通いましたよ。そこで、無試験でもらえる今の資格を知ったのです。主に、男性向けのコーチングサロンで指名をもらい、コロナ前までの月収は20万円弱。けっこうギリギリの生活でしたが、ダブルワークで何とかなっていました」

現在住んでいる家は、山手線圏内のアパート。あまりにもボロくて、6世帯入るのに、住んでいるのは晴美さんと生活保護受給者のお年寄り2人だけ。

「家賃5万円で、6畳+キッチンとシャワーのみ。引っ越して1年です。カビと害獣・害虫を見かけることも多いですね。2歳の娘の存在もウザくて。産後1年間くらい、シングルマザーのためのシェアハウスに入って共同生活をしていたのですが、マウンティングやいじめが激しくて荒んでしまった。だから今の家に引っ越したんです」

シェアハウスの女性たちから、いじめに遭ったという晴美さん。

「徹底的に無視されました。あとは靴を隠されたり、ベビーカーを壊されたり。私は昔から女性から嫌われるんです。娘が生まれて1年くらいは、お金もないし仕方ないと思っていました」

住居費、保育園代は無料になりますが、衣食や通信費はかかります。

「私は1か月3万円の最低限の食費で生きていたんです。でもミルク代がバカにならない。私は自分の胸や乳首の形が変わるのがイヤだったので、母乳はあげなかった。それを超後悔したのが、1缶2000円の粉ミルクが1週間に1缶なくなることがわかったとき。出産前に100万円くらいあった貯金残高が目減りしていく恐怖。そのストレスで髪の毛がごっそり抜け、白髪も増えました」

保育園の職員との折り合いも悪かったとか。

「生後57日で、優先的に保育園に預けられたんです。そうして朝から20時までダブルワークで、ずっと働いていました。でも保育園は20時にお迎えに行かなくちゃならない。あるとき、どうしても夜に外出しなくてはならず、職員の人に2時間ほど見てもらった時に、1歳の娘の太ももに、つねられたような青あざができていて、これはダメだと思ったんです」

晴美さんは、「とはいえ、娘に対して愛情は、あまりないんです」と続けます。

「産んだから責任があると思います。でも、私にとって、娘は突然生まれた異物。妊娠6か月まで気が付かなかったんです。体調が悪いと思って病院に行ったら、男性の医師から笑顔で『婦人科に行ってください』と言われたんです」

その後、近くの婦人科に行ったら、女性の医師に「今まで何してたの!」と怒鳴られたそう。

「正直、妊娠しているとは思わなかった。でも怒られて、堕胎したいとは言えなくなってしまったんです。それなのに受診で1万円くらいとられた。あの絶望感で、お腹の中に生まれた命を憎みました」

そのとき、すでに中絶手術はできない段階になっていたのです。妊娠4か月(12週)以降の人工中絶は、陣痛を誘発して死産させる方法しかありません。

「だから産んでしまった。怖かったから。貯金は100万円だけだから、マジ詰んだって感じです。でも生まれると、何とかしなくてはと思うようになるんですよ。あれは不思議」

晴美さんは、良妻賢母を育てる女子短大を出ていた。

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